菅野施公詞さんのラインシステム
同じ対象魚をねらうのでも場所が違えばフライと釣り方が違います。ここでは菅野施公詞さんの渓流・本流(ウエット)のラインシステムをご紹介します
菅野施公詞=写真と文
フライを送り込み、魚の目前で浮上させるためのバランス
太いラインだと、尺くらいの魚であれば食い込んだ時に水の抵抗でフライを放してしまうのが早くなると感じているので、ラインはWFの3番を使っている。私の釣りはどちらかというと、スイングよりも送り込みのほうが多い。これはフライを沈ませて魚の目の前で浮上させる、というもので、ヒラタのイマージャーを意識するというか、動物的な本能を刺激するというか、最後のワンアクションで魚に飛びつかせるイメージだ。したがって3番は水馴染みよさとともに、テンションをかけたときに素早く浮上してくれるちょうどよい太さだと思っている。逆にリーダーはラインの動きをフライに伝えやすくするため、太く短くセッティングしている。イラストのリーダーサイズで#12のフライまで使うので、基本的にはフリーノットで結んでいる。
ラインシステム
※以下の本誌からもご覧いただけます
書影をクリックするとアマゾンのサイトへジャンプします。FlyFisher2021年Mid Summer
【特集】名手たちのリーダー&ラインシステム図鑑 渓流、本流、湖、ソルト、温水。47人の工夫とこだわり。
この釣りではとかくフライパターンに注目が集まりがちですが、フライを魚に届けるためのリーダー、ラインシステムも非常に大切な要素です。同じ対象魚をねらうのでも、フィールドが違えばフライと釣り方が違います。そしておのずとラインシステムも変わります。特に対象魚のバリエーションが広がり続ける中、名手たちの現時点でのシステムを整理してみました。ほか、朱鞠内湖のイトウの魅力、そして’マッドサイエンティスト’、ゲーリー・ラフォンテーンの名著『The Dry Fly』の第1章を掲載しています。
2023/5/1