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Little Bell

中根淳一さんのシーバス用ラインシステム

名手は何を気にしてどのようにラインを組んでいるのだろうか。ここでは中根淳一さんの東京湾のシーバス用ラインシステムをご紹介します

写真と文=中根淳一
Profile 中根淳一さん

編集や執筆、イラストからデザインまで、本誌でもおなじみのフライフィッシャー。横浜、湘南エリアで生まれ育ったこともあり、長年に渡って海のフライフィッシングに親しんでいる。海外や沖縄での釣り経験も豊富だが、ここ10数年はラージマウスバスのサイトフィッシングにも夢中。神奈川県在住

 

 

さまざまな状況に対応する最大公約数的なシステム

flyfisher photo

私はほとんどの場面で市販のテーパーリーダーを使用している。主に気にするのは、ターンオーバー性能と太さくらい。大雑把ではあるが、重くて空気抵抗が大きいフライを常用するならば、バット部がいくらか長めで、テーパーの角度が急なもの。ソフトプレゼンテーションが必要であれば、テーパー部が長く、角度が緩やかなものを選んでいる。

同様にフライラインも、使うフライの重さや空気抵抗、気温、水温、伸張性、常用する距離を加味して選択している。番手については、ロッドアクションに合わせながら、風の強さや水面へのインパクトなども考慮するので、指定番手よりも軽くしたり重くしたりと、必ずしも一致させるとは限らない。

ボートのシーバス釣りでは、ベイトのサイズに従い、大小さまざまなフライを使う。キャストも近くの障害物を正確にねらうこともあれば、とにかく遠くへ投げたくなるオープンウオーターのボイルねらいまでさまざま。目的が異なるため同一のシステムでは難しいのだが、出番が多いのはトップウオーター用のフローティングラインと2種のシンキングライン。

フローティングラインは若干の遠投性能を犠牲にしても、近距離でのターン性能を重視したものを使う。リーダーはバット部が全長の50%前後あるナイロンの0~02X。そこにショックティペットとして、擦れに強い同素材のレベルライン、20~30Lb を2フィートほど足している

シンキングラインはインターミディエイトと、タイプ4以上のファーストシンク・ライン。リーダーはフロロカーボンの0~02Xに同素材のショックティペット4~8号を2フィートほど足す。太いショックティペットを長めに付ける理由は、岸壁に張り付いたカキ殻などへの対策(IGFAルールに準拠の場合はショックティペット30.48cm以内にするが、カキ殻対策としては短い)。

ナイロンとフロロの使い分けは、おもに比重と光の屈折率ではあるが、トップウオーターの場合でもフライの水なじみや、ラインを目立たせたくない時にはフロロを使うこともある。また、シンキングでも、しなやかさが欲しければナイロンを使うこともある。フロロに比べてナイロンのほうが粘って切れるようなイメージなので(あくまでもイメージですが)、どちらか一択ならばナイロンを選ぶと思う。20cmを超えるような大型のフライを使う季節や、極小ベイトを補食しているような特別な状況でない限りは、最大公約数的にこれらのシステムで問題がないと思う。

 

 

東京湾のシーバス用ラインシステム(フローティング)

flyfisher photo

 

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