正木充さんブリ・マダイ用ラインシステム
名手は何を気にしてどのようにラインを組んでいるのだろうか。ここでは正木充さんの明石周辺のブリ・マダイ用ラインシステムをご紹介します
写真と文=正木充
ブリとマダイをボートからねらう!
明石周辺の海では、ボートからブリとマダイをねらうことができる。そのラインシステムは、ブリ、マダイ兼用のフローティングとシンキング。そしてマダイのナイトフィッシング用の合計3種類。
まずブリ、マダイ兼用のフローティングラインは、使うフライのバリエーションの多さと多彩な釣りスタイル(ボイルねらい、サイトフィッシング、ブラインドフィッシングなど)に1本で対応できるものを選んでいる。空気抵抗が大きいフライをある程度容易に飛ばせ、普通サイズのフライであれば少ないフォルスキャストでロングキャストできるラインがよく、マスタリー・タイタンのほかにアウトバウンド・ショートもよく使っている。
基本的にこのラインシステムは通年使えるものだが、夏場にはもう少し硬くて張りのあるラインがほしいと思うこともあり、今シーズンからアンプリチュード・バスバグを試してみようと思っている。その理由は、フライラインの絡みにくさが重要と思えるからだ。キャスティング時に絡んでいてはチャンスを逃すし、ヒット直後のダッシュでラインが絡めば、ガイドに引っ掛かる。よくてラインブレイク、運が悪ければガイド破損やロッドが折れることもある。そういったトラブルに遭わないためにも「絡みにくい」という要素も考えておくべきだろう。
次にブリとマダイを日中にねらう場合、ボイルがなければシンキングラインを使い、ブラインドキャスト、カウントダウン、リトリーブを繰り返して釣ることが多い。このスタイルでは、少ないフォルスキャストで遠投ができ、早く深みに達するラインが効果的で、投げやすさと絡みにくさ、遠投性ではアウトバウンド・ショートⅠ/S5/S7が使いやすく、深場の探りやすさでは同ラインのS 7(タイプ7)のフルシンク・ドレッジャーに分があると感じている。
※以下の本誌からもご覧いただけます
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【特集】名手たちのリーダー&ラインシステム図鑑 渓流、本流、湖、ソルト、温水。47人の工夫とこだわり。
この釣りではとかくフライパターンに注目が集まりがちですが、フライを魚に届けるためのリーダー、ラインシステムも非常に大切な要素です。同じ対象魚をねらうのでも、フィールドが違えばフライと釣り方が違います。そしておのずとラインシステムも変わります。特に対象魚のバリエーションが広がり続ける中、名手たちの現時点でのシステムを整理してみました。ほか、朱鞠内湖のイトウの魅力、そして’マッドサイエンティスト’、ゲーリー・ラフォンテーンの名著『The Dry Fly』の第1章を掲載しています。
2023/6/27