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フライフィッシングショップ ビギナーズ・マム

リバースカウトという新提案

フォックスファイヤーからバックパックに合うパックベストが登場

写真と文=浦壮一郎

シリーズ4タイプの組み合わせでカスタマイズを楽しむ



かつて渓流釣りにおいてフィッシング・ベストはマストなものだと考えられていたが、近年はショルダーバッグやポーチ、スリングパックなどを愛用する人も増えている。それでも、釣りの最中に必要な道具を素早く取り出せるという意味でフィッシングベストは今も最良の選択だと考える人は少なくない。フライやルアーのボックス、ティペットやリーダーなど、欲しい時に各ポケットに即座にアクセスできるのは、やはりベストならではだからだ。

 

ただ源流釣行派にとって、便利グッズであるはずのベストが敬遠される存在になることもある。着用したままバックパックを背負うと前面ポケットが邪魔になったり、ベストの背面ポケットが使えなかったりと、メリットが活かせない場面が出てくるからだ。

 

そんな欠点を解消したのがフォックスファイヤー・リバースカウト・パックベスト。フィッシングベストの腰ポケット部のみを抜き出したようなデザインが特徴であり、バックパックと併用した際も邪魔にならない。それぞれの左右ポケット部はバックパックやウエーダーのベルトに装着することも可能。頻繁に使用する小物類を常に取り出しやすい場所に保持することができる。サスペンダーは着脱式で、また調整幅が広いことからも、厚手のウエアを重ね着する冬期、Tシャツのみで遡行する夏期などあらゆるシーンに対応できるのもありがたい。

軽快に渓流を釣り歩きたい人に最適なパックベスト(1 万1000 円)。カラーはカーキとチャコールの2色。ハーネスを取り外してウエーダーのウエストベルトに装麓することも可能。オンラインストアはこちら

 

 

 

実はこのリバースカウト・シリーズは、パックベストのほか2WAYショルダーバッグ、ショルダーポーチ、パック(25Lのバックパック)の4タイプが用意される。それぞれを組み合わせで使用することができ、自分流にカスタマイズできることも特徴となっている。

 

たとえばパックのウエストベルトにパックベスト、あるいはパックのショルダーにポーチを装着するなど、釣行スタイルに合わせてバージョンァップが可能。またパックベストのショルダーハーネスにポーチを装着することでベストに収納力を追加することもできる。たとえば他社製バックパックのショルダーにポーチを装着しておけば、源流遡行中でもスピーディーに釣りを始めることができる。実に使い勝手に優れたシリーズだといえる。

リバースカウト・パック25L (1 万6500 円)は日帰り釣行に充分な容量を確保。パックベストやポーチを組み合わせることで渓流釣行に必要なすべての要素を網霜できる。8oz オックス生地は防水性こそさほど高くが配久性は抜群。裏地にも丈夫な210D オックスを採用する(全シリーズ共通)。オンラインストアはこちら

 

 

リバースカウト・ショルダーボーチ(4950円)は渓泊まりの源流遡行にも最適。他社製バックパックのショルダーにも装麓可能なため素早く釣りを始めることができる

 

 

リバースカウト・2WAY ショルダーバッグ( 1 万3200 円)はショルダーベルトを外すことでヒップパックとして使用することもできる。サイド部にはボトルポケット、プライヤーポケットを装備し、背面にはランディングネット用スリットを設けている。オンラインストアはこちら

 

 

ワックスクロスのような風合いが特徴



ミニマルを追求しつつもさまざまなシチュエーションに対応している点で源流にも最適だが、製品化のきっかけもやはり源流釣行がきっかけだったようだ。開発を手がけたティムコの田上公友さん(アウトドア部・企画開発課)は次のように説明する。「黒部川の源流釣行に出掛けるにあたって、なにか適したモノがないかと考えていました。源流ではモノをできるだけ減らす必要がありますが、たくさんモノが詰まった(一般的な)フィッシングベストを持って行くわけにはいかないし、まして着たまま歩くのは大変です。そのためかサコッシュを活用している人も多いですが、もう少し使い勝手のよいものがあればと思い開発を始めました」

 

たとえば黒部源流などの場合、川に到着するまで釣り道具はバックパックに仕舞ったままになるが、その際、本格的なフィッシングベストはあまりにもかさばる。まして着たままの登山は苦痛でしかない。そこで必要ない時はバックパックに収納しやすいミニマルなベストやポーチが最適だ。

 

ただ、同シリーズの生地は全モデルともに一見して厚手。8ozオックス(ポリエステル100%)/裏地:21ozオックス(ポリエステル100%)を素材に用いており、近年流行のウルトラライト系とは一線を画している。

 

「生地はあえてコットンライクなものを採用しています。8ozの生地はかなり丈夫なため耐久性が高く、ワックスクロスのような経年変化が楽しめるのも特徴です。またピンオンリールなどを取り付ける際も、厚手の生地なら躊躇なく付けられると思います」

 

軽さよりも丈夫さを優先させている点も好感が持てる。ウルトラライト系の極薄ポリエステル生地は軽さのみを優先する人にはよいが、重量があるものを入れた際に型崩れは避けられないし、なによりヤブ漕ぎや転倒による損傷に気を使う。リバースカウト・シリーズの厚手の生地なら、その心配も軽減されることになるだろう。

 

 

実釣テストで鍛えた末永く使える相棒



田上さんは以前、パタンナー(デザイナーが作成したデザインをもとに型紙をおこす専門職)としてカジュアルアパレル関連企業に勤めていたという。当時から登山に出掛けるなどアウトドアに精通していたが、仕事はアウトドアとは無縁なアパレル。ところが登山を通じてアウトドアウエアに興味を持ち始め、8年前にティムコ入社を決意したという。「本格的にフライフィッシングを始めたのが4年前。フィッシング用ウエアを開発するにあたり必要だったこともありますが、自然とのめり込んでいきました」

 

実際に渓流へとおもむくことで見えてくるものがある。リバースカウト・シリーズはコットンライクな風合いでカジュアルさを感じさせる。それはやはり田上さんならではのセンスが活かされているからだろう。それでいて実釣テストからフィードバックされた要素により、釣りに特化したテクニカルなデザインとなっている。

 

田上さんは自身で生地を裁断してサンプル品を作成してはテストを繰り返し、それを元に工場で作成したプロト品を再び実釣でテストを行なっている。同シリーズも黒部源流釣行をはじめさまざまな渓流で何度も使用し、納得のゆくものが形になってようやく製品化にこぎ着けたといえる。軽さを優先するという近年の流行に流されず、耐久性を確保することを念頭に置いて開発したのは、そうした実釣テストの結果を反映したものである。

 

製品版(完成版)を実際に手に取った個人的感想を述べさせてもらうと、特に注目したのはコーティングではなく裏地を使用していること。アウトドア製品には防水性を持たせるために生地の裏側をコーティングしているものが多く見られるが、それは時間の経過とともにコーティングが劣化して粉のように剥がれたり、あるいはベトついたりするものがあるのだ。

 

しかし裏地を用いた同シリーズならそうしたトラブルとは無縁。経年劣化ではない経年変化を楽しむことができ、仮に表面生地が色あせたとしても使い込んだ道具としての『味』を醸し出すに違いない。末永く使える相棒の登場である。

 

 

 

 

2023/2/22

最新号 2024年6月号 Early Summer

【特集】拝見! ベストorバッグの中身

今号はエキスパートたちのベスト/バッグの中身を見させていただきました。みなさんそれぞれに工夫や思い入れが詰まっており、参考になるアイテムや収納法がきっといくつか見つかるはずです。

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