ガイドに聞く「浮きヤマメ」
良型を”見つけて釣る”ヒントを谷地田正志さんに聞いた
谷地田正志=解説 透明度の高い川では深さを誤ることもあるが、水深のあるプールこそ、尺ヤマメが浮いている可能性が高い秋田のFFガイド谷地田正志さんは、魚を見つけてから釣るサイトフィッシングの名手。これまでゲストの釣った過去最大のヤマメは、パーマークのある48cm。ちなみに昨年は37cmを筆頭に尺上が8尾という釣果だった。大ものはどこで、どんな条件で浮くのかを聞いてみた。
この記事は2012年8月号に掲載されたものを再編集しています。
《Profile》
やちた・まさし
1957年生まれ。秋田県大館市在住。地元のFFクラブ「アーガス」 代表。米代川水系を中心にフィッシングガイドをしている。見つけてから釣るサイトフィッシングで毎年数多くの尺オーバーをゲストに釣らせている。近年は海外からもオファーがあり、シーズン中は忙しく渓を歩きまわる。
やちた・まさし
1957年生まれ。秋田県大館市在住。地元のFFクラブ「アーガス」 代表。米代川水系を中心にフィッシングガイドをしている。見つけてから釣るサイトフィッシングで毎年数多くの尺オーバーをゲストに釣らせている。近年は海外からもオファーがあり、シーズン中は忙しく渓を歩きまわる。
①よく浮く場所は?
どういった場所を見ていけば浮いている尺上に出会えるのか。まずはそのあたりが気になるところ。谷地田さんは大ものをねらう際、どのようなポイントを見ているのだろうか?「尺ヤマメが浮くのは水深が1m 以上あるようなプールですね。なかでも流れの強い流心脇にいます」
普通のヤマメとほとんど変わりがないように感じるが、流心でも流れの強いところ、そして水深が1m 以上あるような隠れ場がしっかりしているところを好むようだ。そうなるとやはり渓流域ではプールは外せない1等地になる。
良型はとにかく警戒心が強いため、浮いている時間も短い。谷地田さんのこれまでの経験によると、水面で見られるのは朝夕のマヅメ時が多いと話す。
「たとえば朝イチだけヒラキに出ている、あるいはイブニングだけ流れ込みの上流で定位するといったケースが見られます。尺を優に超えるような超がつくほど大きいヤツは、1 日のほとんどを底のほうで過ごし、短時間だけ水面に出てくるイメージです」
②絶好のタイミングは?
マヅメ時のほかに大ものが浮くチャンスはあるのか? またそのタイミングをねらうことは可能なのか?「梅雨明け、盆明け、良型ヤマメを手にするタイミングについてはいろいろ意見がありますが、日中に大ものが浮く条件としては、“雨”がひとつのキーになります。濁るまではいかないまでも、若干ゴミが流れてくるぐらいの増水がベストですね」
降っても水位は5~10㎝程度の増水で、ある程度まとまった雨がザーッと降り、短時間でサッと止むような、スコールのような雨が最大のチャンスになるという。しかもこれはシーズンに関係なく訪れる好機となるので、天候か崩れた直後にいつでも急行できるよう、気になるプールは事前にチェックしておくのがよいようだ。「良型は、にわか雨が降ったらプールを覗け」が合言葉になる。
③見つけやすい川の条件
ヤマメは里川にいるイメージが強いが、山地渓流のほうが浮いているヤマメは見つけやすい。2024/8/6