チューブフライのタイイング│ワンハンプ、ユニティ
チューブフライはフックのみを交換できるので針先の鋭さを保ちやすい
正田博=解説 編集部=写真チューブを準備する
正田さんのチューブは自作。プラスティックを使うこともあるが、アルミをメインに、ユニティにはステンレスを使用する。スイングフィッシングでは、フライを途中で失速させたくないという正田さん。アルミチューブは軽量でフライの重量が分散されるため、緩い流れに差し掛かっても失速しづらい、と考えている。ここではワンハンプとユニティのタイイング方法を紹介する
ワンハンプ
ユニティ
アルミチューブの制作方法
メインで使用するのは、外径2.1mm、内径1.5mmの模型用アルミパイプ。ネット通販で簡単に手に入る正田さんのチューブは自作。プラスティックを使うこともあるが、アルミをメインに、ユニティにはステンレスを使用する。スイングフィッシングでは、フライを途中で失速させたくないという正田さん。アルミチューブは軽量でフライの重量が分散されるため、緩い流れに差し掛かっても失速しづらい、と考えている。
Step1
アルミパイプの中に外径1.4mmのステンレスパイプを入れる。この状態でカットするとバリが出ず、切り口がきれいになる
Step2
長さを決めてカッターの刃の下でパイプをコロコロ回転させる。ワンハンプの場合は2.5cm
Step3
ステンレスは硬いのでそのまま残り、アルミのみがカットされ、このようになる
Step4
インナーパイプを準備する。釣り仕掛け用のカラミどめパイプ、内径0.6mmのものを使用
Step5
アルミチューブより長めにカットして、中に通す
Step6
両端をあぶり、インナーパイプを溶かして固定して完成
ワンハンプのタイイング
ラビットストリップを1点で固定するこのパターン。水中での動きを増幅するためにできるだけ毛足が長くて密度が濃いものを選択する。また、ラビットストリップの動きを妨げないために、ウイングの上にはほぼ何もつけないような工夫も。ヘッド部のEPブラシもその動きを邪魔しないように極力短めにカットしている。
Step1
チューブをバイス(前項で紹介したシャープペン)にシリコンチューブを被せるぶん(約3mm)チャックに挟み込み下巻きをする。下巻きはチューブの後端を約1mm余らせる
Step2
フィンラクーンをチューブの真上後端に留める。ガードヘアのみ使用
Step3
サーモウェブ・ブライトシールとレモンイエローをブレンドしたものをダビングしてきっちり巻く。ヘッド部は5mm程度空けておく(先端まで巻かない)
Step4
フィンラクーンをチューブの真下に留め、スロートを作る。分量はテイルとほぼ同じ、ボディーの1.5倍の長さを取り付ける
Step5
スロートの余りをカットして、ウイングを取り付ける部分(ボディー上部先端)のダビング材を半分ほど切り平らにする
Step6
約7cmにカットしたゾンカーをボディーの先端に取り付ける
Step7
ジャングルコックを取り付ける
Step8
抜け防止のため、ストークを折り返してさらに留める。次の工程に移る前に、抜け落ち防止のため、スレッドをハーフヒッチして留めておく
Step9
EPクラフトファーブラシをジャングルコックの前に取り付ける。ワイヤの先端はスレッドを傷つける恐れがあるため、ていねいに巻き込む
Step10
ファイバーを後ろになでつけながらヘッドの部分に5~6回転で強めに密に巻く
Step11
ヘッドを作りウイップフィニッシュ。余りをカットして、UV硬化タイプのヘッドセメントを滴下
Step12
ファイバーを均等に掻きだし、側面のファイバーを短く、上部はゾンカーの動きを邪魔しない程度にカット。最後にもう一度UVヘッドセメントを付けて硬化したら完成
Step13
正面から見るとこのようになる
Step14
フックを準備する。ダブルフックはシャンク部分をこのようにスレッドでまとめておくとフッキング率は格段にアップする
Step15
シリコンチューブ(内径1.5mm)とフックをセットして使用する
Step16
シリコンチューブはフックのアイが被さるくらいの長さで使用する
Material
・チューブ…………………自作アルミチューブ・外径2.1mm長さ2.5cm
・スレッド…………………センパーフライナノシルク12/0・オリーブ
・テイル&スロート………フィンラクーン・スカルピンオリーブ(ガードヘアのみ使用)
・ボディー…………………サーモウェブ・ブライトシールとレモンイエローをブレンドしたもの
・ウイング…………………ゾンカー・キャメルレモン
・アイ………………………ジャングルコック
・ヘッド…………………EPクラフトファーブラシ・ホワイトイエロー
・フック…………………がまかつダブル21#8
ユニティのタイイング
ウエットフライをチューブで作りたいと試行錯誤した構造。フックとボディーの空間をできるだけ縮めるために、エクステンドボディーに行き着いた。しかも、これによってフッキング率も上がったと思われる。戻りヤマメに効果的なフライだが、まだ改良の余地があると考えている。
Step1
まずはエクステンドボディーを作る。FIXPIPE0.6mmを長さ2.5cmにカットし、ニードルでバイスに固定。スレッドの抜けを防ぐためにチューブの先端をほんの少しだけあぶる
Step2
チューブにスレッドを下巻きする。実際のボディーになるのは先端から1.2cmほど
Step3
チューブの真上にコックデレオンを取り付けテイルとする
2024/12/16