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ささきつりぐ

嶋崎了さんのキャスティング練習方法

最後までラインに力を伝え続け、フライまでを確実にターンオーバーさせる、ロッドの止め方と力の伝え方のコツ習得の道

解説=嶋崎了
Profile

嶋崎 了(しまざき・りょう)

1965年生まれ。江戸川区在住。 渓流を中心に、本流、湖もオールラウンドに楽しんでいる。ティムコ社フライ用品開発担当として、『TMCバイス』、『TMCアジャスタブルマグネットボビン』、『Jストリーム』シリーズなど主要製品を数多く手がける。

※この記事はFLY FISHER No.193を再編集したものです

 

 

管理釣り場で感じた限界

flyfisher photo

数々のオリジナルロッドの開発に携わるかたわら、近年はロングティペット・リーダーの釣りにも熱中している嶋崎了さん。フライタックルのメーカーに入る以前から、フライフィッシングは楽しんでいたが、自分のキャスティングに初めて限界を感じたのは管理釣り場だった。

釣具店で知り合った上手な方からアドバイスをもらうくらいで、基本的にキャストの練習は自分で行なっていたという嶋崎さん。それでも、おもな行き先である渓流では、近距離をねらうこともあってキャスティングに不自由を感じることはなかった。しかし、禁漁期に訪れるポンドタイプの管理釣り場に出掛けてみると、知らない人の中にはロングキャストでもフライまでをしっかりターンオーバーさせる人がいる一方で、自分はフライやリーダーが最後に押し戻され、明らかにうまくキャストできないことがあると意識するようになった。

「タックルはロッドが4 番か5 番。当時6 番ロッドは持っていなくて、リーダーシステムは9 フィートのリーダーにティペットを足して12~16 フィートくらいでした。フライはおもにマラブー系ですが、なんできれいに落とせないんだろう、ヘロヘロと落ちてしまうんだろうと、自分のキャスティングにどこか問題があると思いましたね」

やがて試行錯誤した結果、嶋崎さんはそれが「ひとことで言えば、最後まで投げ続けていなかった」ことによる失敗だったと気づく。その違いは感覚的な表現も多くなってしまうのだが、本人の言葉を借りれば、「特にシュートにおいて、最後までグゥーっとラインを引っ張ってロッドを押しこんでいくこと。それをどんなキャストでも徹底すること」だった

実はそれまでにも、嶋崎さんはスムーズで力のあるキャスティングをする基本として、「引っ張って、止めて、送る」という一連の動きが非常に大切だと考えていた。そのため、たとえばフォワードキャスト、バックキャスト、それぞれの間で、「引っ張って止めて送る」と声に出しながらフォルスキャストを行なう、そんな練習を繰り返した時期があった。その目的は、ロッドの動きとラインの動きが常に一致する感覚をまず掴むこと。これは当時、嶋崎さんが周囲にいた上手なキャスターから教わった練習法だったそうだ。そして、実際にこのリズムで練習を繰り返し試してみると、スムーズで力のあるキャストのベースが身に付いた。

 

※この続きは、月額700円+税で有料メンバー登録するとご覧いただけます。

 

※以下の本誌からもご覧いただけます

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FLY FISHER No.193 発売日2009年12月22日

【特集】Defying Gravity キャスティングの壁を超える

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2023/7/10

つり人社の刊行物
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初歩からのフライタイイング 2,750円(税込) A4変型判148ページ
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最新号 2024年12月号 Early Autumn

【特集】マスのきもち

朱鞠内湖のイトウ、渓流のヤマメ、イワナ、忍野のニジマス、九頭竜川サクラマス本流のニジマス、中禅寺湖のブラウントラウトなど、それぞれのエキスパートたちに「マスのきもち」についてインタビュー。

色がわかるのか、釣られた記憶はいつ頃忘れるのか、など私たちのターゲットについての習性考察していただきました。

また、特別編として、プロタイヤーの備前貢さんにご自身の経験を、魚類の研究に携わる、棟方有宗さんと高橋宏司さんに科学的な見地から文章をいただいています。

みなさんの情熱が溢れてしまい、今号は16ページ増でお届けします。

「タイトループ」セクションでは国内のグラスロッド・メーカーへの工房を取材。製作者たちのこだわりをインタビューしています。


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