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渋谷直人が語る魚の釣れる時間帯

どの季節でもストライクな時間帯は午前10時~午後4 時の6 時間と思い込んで間違いない

解説=渋谷直人

釣れる時間帯は?

結論、どの季節でも午前10時~午後4時の6時間と思い込んで間違いない。

ドライフライで有利になるのは、ライズしている魚を確認することに尽きる。しかし、自分の都合で川に行っても流下物が流れていなければ、魚は浮いてこないしライズもしない。季節ごとに虫の種類など踏まえて時間帯を絞ることで、その川の魚の量や大きさを計ることができる。

単純で分かりやすすぎるが、どの季節でもストライクのタイムゾーンは一緒で、午前10時午後4時の6時間と思い込んで間違いない。ドライフライなら、そこだけで充分すぎるだけの内容やチャンスが凝縮している。逆に考えると、自分がよいと思い目を付けたポイントには、その時間は張り付いて観察する必要があるともいえる。春であろうが真夏であろうが秋であろうが、シーズンをとおして虫が動き出し、水面に絡む時間帯の多くが昼前後に集中していると感じる。

昼ごはんに川からあがって蕎麦屋でも、と考えるのは最大のチャンスタイムの放棄にほかならない。お湯を沸かしてコーヒーを飲むなども同じ理由から僕にとってはマイナス要素でしかなく、軽食をポイントから目を離さずに短時間で終わらせることをおすすめする。

僕は普段から規則的な食事や睡眠にこだわるほうなのでよく覚えているが、ご飯の最中にライズがあり、食事を中断してフライを投じて結果を出したことが数多くある。しかも、それは記憶に残るような大ものであることが多く、半分かじった握り飯を石の上においてライズに挑むことも普通である。そのように時間帯を押さえつつ、その日の川の状態を伺うわけである。

渓流だけで考えると話はそれだけにとどまらず、先行者の有無を確認する必要がある。そして、先行者の釣り方がどのジャンルであるかなど、立ち位置や足の向きなどから察しなければならない。ストライクゾーンのはじめとなる午前9~午前11時くらいに先行者の有無とその釣り方が分かれば、そのまま釣りあがっても期待ができるのか、川や区間を変える必要があるのかが判断できると思う。人気河川であれば早朝にルアーやエサ釣りが入っていることは平日でも当たり前であり、それほど気にする必要はないが、源流域など常に人が少ない流域では歩かれただけでもかなりの魚が怯えてしまい釣果は半減以下になる。それでも、川の変更が時間的に無理な場合はその場に合わせた釣りで対応するしかない。

時間帯がよくなる昼から午後3時にかけては、先行者に関係なく捕食に出てくる魚が必ずいるし、その中には大ものも少なからずいる。同じフライの先行者だったとしても、最高の時間帯にどこで釣っているかは重要であり、50尾のアベレージよりも、1尾のトロフィーサイズを釣るチャンスがあるかもしれない。そのように釣りの質も変化させつつ、大ものをねらい続けることが先行者を恨みごとや言い訳にせず、気持ちよく釣ることになると思う。

 

 

釣れすぎても時間がかかる

逆に最高の季節、最高の時間に最高の区間に入れて誰の気配もないとなると、意外に効率は悪くなるものだ。手前の浅瀬から充分に気を使わなければならないし、すべてのポイントにフライを投じてみないと結果が見えてこない。フレッシュなポイントを叩けることは有利ではあるが、小ものまでかなりの魚の反応があるため、とにかく時間を要する。プレゼンテーションから合わせて取り込み、ハリを外してフライを乾かし次に向かう。この行動の潤滑さが効率を上げてはくれるが、小場所からは大ものが出ないなどの状況判断は常にしておきたい。同じ行動を続けるか、サイトフィッシングに切り替えるか、そのあたりがその釣り人の技量であり判断力になると思う。

 

 

雨について

雨は面倒臭いことが多いし増水なども含めて、かなり際どい判断が求められる。しかし雨続きでもない限りは、雨は相当なアドバンテージであり嫌う必要はない。

※この続きは、月額700円+税で有料メンバー登録するとご覧いただけます。

2024/8/26

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