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フライラインの最前線を語る

ラインでFFをもっと快適にできる

FlyFisher編集部=写真と文
フライフィッシャーNo.293「フライラインの最前線と少し未来のこと」(p 20-21に掲載)で、小誌のインタビューに応えてくれた、サイエンティフィックアングラーズのインターナショナル&OEMセールスマネージャー、ジェフ・ピアスさん。



誌面掲載しきれなかったトークを会員限定で公開します。


――「アンプリチュード」などはシリーズ、と呼べばよいのでしょうか?

そうですね。シリーズ、です。アンプリチュードは基本的にテクスチャードのシリーズです。ただ、テクスチャードを好まない人たちが一定数いるのも事実です。バハマのボーンフィッシュガイドの中にはテクスチャードの音は魚を散らす、と信じている人たちがいます。もしあなたが、テクスチャードラインを持って彼らのところへ行ったら怒鳴られますよ(笑)。でもそれは真実ではないですよね。

また、スムーズなクラシックラインに馴染んできた人たちの中には、私たちがアンプリチュードをローンチした時に「忘れ去られた」と感じた人もいたようです。ですから私たちは昨年アンプリチュードスムースをリリースしました。

それぞれのシリーズはどんな人でも使っていただけるように、価格帯によって分けています。多くの人が毎年高価なラインを何本も買うことはできないですから。コンシューマショーでの直接の質問や、電話やメールでも、本当にたくさんの問い合わせをいただいて、その対応に相当な時間を使っています。プロショップもすべての店員が詳しいわけではありませんからね……。

ですからカタログを充実させ、動画を作成して、できるだけスムーズに理解してもらえるように努力はしています。また、人の評判や名前だけで選ぶということではなく、どのような状況でどのような魚を釣るのか、といった使用状況からラインを選択するという方法がよいかもしれません。

ただし、たとえばウイスコンシンのマイナス20℃の気温下でパイクを釣るラインで、ハワイのボーンフィッシュは快適に釣れません。つまり、すべての状況をカバーできるフライラインはない、ということです。ですからこういう場合は、使う頻度が高いのは、ウイスコンシンかハワイかどちらなのか。そういう感じで絞っていけばよいのではないでしょうか。

日本だったら、多くの人がヤマメやイワナをねらっていて、ドライフライの使用頻度が高いと思います。それならばたとえばどんなロッドを使うのか、グラスなのかグラファイトなのか、バンブーなのか、といったことでもライン選択のヒントになると思います。

まぁそれでも、ユーザーのキャスティングスキルのレベルに応じて好みのラインが変わってくるはずです。だからティムコのカタログはこんなに分厚くなってしまうんです(笑)。そしてどんなレベルの人でも気に入る1本が、私たちのラインアップの中に必ずあるはずです。ユーザーがどういうことがやりたいかが明確にできれば、ラインを選択することがずっと簡単になると思います。

テーパー作りは製造工程の中でもっとも簡単なこと


――各ラインのテスト期間はどれくらいなのでしょうか?

実は、ラインのテーパーを作ることは難しいことではないんです。というより、ラインの製造工程の中では最も簡単なことでしょうね。この辺りをこれくらいの太さにしてくれ、というだけですから。本当に難しいのは素材なんです。耐久性はどのくらいか、滑りやすさはどれくらいかなどです。

※この続きは月額700円+税で有料メンバー登録するとご覧いただけます。

2019/11/5

つり人社の刊行物
初歩からのフライタイイング
初歩からのフライタイイング 2,750円(税込) A4変型判148ページ
本書は、これからフライタイイングを始めようとする人に向けた入門書です。 解説と実演は、初心者の方へのレクチャー経験が豊富な、東京のフライショップ「ハーミット」店主の稲見一郎さんにお願いしました。 掲載したフライパターンは、タイイングの基礎が…
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最新号 2023年12月号 Early Autumn

【特集】尖ってるドライフライ

今号では、編集部が「面白いな」と感じた渓流用のドライフライのタイイングと考え方を紹介します。取り上げるのは、パラシュートスパイダー、エルクファンタジィ、丹沢スペシャル、マジックバレット、里見パラシュート、ヨッパラ、特殊部隊の7本です。これらを並べてみると、みなさん気にかけているのは、耐久性、浮力の持続性だけでなく、「誘い」であることがわかります。水面の流れより遅く流れる、フライそのものが揺れる、マテリアルが揺れる、などさまざまですが、いわゆるナチュラルドリフト以上の効果を明確にねらっているものがほとんど。来シーズンに向け、ぜひ参考にしてください。
またウォルト&ウィニー・デッティ、ハリー&エルシー・ダービーに関するフライタイイングの歴史、そして、『The Curtis Creek Manifesto』(日本ではご存知、『フライフィッシング教書』として翻訳されています)の作者、シェリン・アンダーソンについても取り上げています。


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