ピーコックを「発見」する
成鳥のオスとメス、幼鳥と、大きく3つにわけ、岩崎徹さんと安田龍司さんに解説していただいた。
岩崎徹、安田龍司=解説 編集部=文と写真岩崎徹さんにインタビュー

岩崎徹(いわさき・とおる)
1948年生まれ。タイイングマテリアルを取り扱う「キャナル」代表。羽根や獣毛など、希少種も含めてこれまでに数々の素材に接してきた。ピーコックのコンプリートが入手しやすくなったのはこの人のおかげといってよいだろう

キャナルの作業場。マテリアルとしての質を担保するスキニングには相当な技術が必要になる
―マテリアルとしてのピーコックはけっこう手に入るようになってきているんですか?
南西諸島とか沖縄方面でクジャクの害鳥駆除が非常に多いので、割と安定的に供給はされているという状況です。駆除するほうもそのまま捨ててしまうのではなく、なんとか資源として利用したいという思惑があるので、食用にしたり、僕たちみたいにマテリアルにしたりというようなことを考えているそうです。
―ピーコックがコンプリートで目に留まるようになってきて、「新たな発見」があったような感じですね。
多分一番大きかったのは、「スペイピーコック」です。幼鳥のピーコックアイのフェザーで、場所的にはランプフェザーになります。ピーコックアイのことをテイルだと勘違いされることも多いんですけど、あれは腰の上のランプフェザーで、テイルは別にあるんです。で、スペイピーコックですが、柔らかいし、見た感じスペイハックルみたいだったので、僕が名前つけたんだけど、それから認知されてきて、使う人も増えてきました。
―スペイピーコックは、幼鳥にしかないんですか?
そうです。成鳥のクジャクだとオスの場合アイになっちゃう。幼鳥か、メスにしか存在しません。
つり人社の刊行物
つり人社の刊行物

最新号 2025年6月号 Early Summer
【特集】One Fly, One Soul 1本入魂のタイイング釣れないフライはありません。しかし、より釣れやすい、より釣りやすいものは確実にあります。
「釣れやすい」とは、たとえば魚がエサと認識しやすいシルエットや姿勢をキャストごとにキープできることや、より刺激的な波動を常に発する構造のこと。 「釣りやすい」とは、たとえばキャスト中の空気抵抗が考慮され、スムーズにプレゼンテーションできることや、簡単には壊れない高い耐久性のこと。
そして、フライは最終的に美しいに越したことはありません。
これら無限の要素を取り入れて、自分で創造できるからこそフライタイイングは楽しいものです。
今号では佐々木岳大さんにドライフライの基礎を、嶋崎了さんにCDCの失敗しない扱い方を、中根淳一さんにキールフライのアイデアを、筒井裕作さんにホットグルーの使い方を教えていただきました。
また、中央アフリカ、ガボンでのターポンフィッシングの釣行レポートやポータブル魚道に関するインタビューなどもお届けします。
Amazon 楽天ブックス ヨドバシ.com