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ささきつりぐ

ヤーンロッドを使ったキャスティング練習

ヤーンロッドの練習でキャスティングが上達したという店主2名に話を聞いた

解説=稲見一郎、加藤力
Profile

稲見一郎(いなみ・いちろう)

1965年生まれ。東京都千代田区でフライフィッシグのプロショップ「ハーミット」を営む。渓流や湖の釣りも得意だが、自らの揉船でシーバスフィッシングの案内をすることも

 

加藤力(かとう・つとむ)

1971年生まれ。愛知県名古屋市にある「加藤毛ばり店」店主として、フライキャスティングからロッドメイキングまで幅広くスクールを開催している。FFF公認キャスティングインストラクター

※この記事はFLY FISHER No.193を再編集したものです

 

 

ヤーンロッドは子ども向けの練習道具ではけっしてない、という2人の体験談

最初に紹介するのは、フライキャスティングの練習道具として、いわゆるヤーンロッドが実際に役に立った(あるいは立つ)、という確固たる意見を持つ2人のプロショップ店主の経験談。

 

1人目は東京都内でプロショップ「ハーミット」を営む稲見一郎さん。

flyfisher photo

 

2人目は名古屋市内で「加藤毛ばり店」を営む加藤力さんだ。

flyfisher photo

 

まずはかつて、お店のウェブサイトで自作のヤーンロッドを製作・販売し、完売したことがあるという稲見さん。フライフィッシングがほかの釣りと大きく違うのは、やはり釣りにおいてキャスティングがすべての基礎体力になること。そこで稲見さんは、オフシーズンの間もお店に通ってくれるお客様が退屈せずに過ごせるよう、ちょうどその頃に在庫として持っていたという生産終了モデルのプランク(ティップ部分)を利用し、オリジナルのヤーンロッドを作った。知り合いのビルダーに本格的なラッピングまでお願いして、ガイド3 つにフックキーパーも付いたヤーンロッドは、いざとなればブルーギルの釣りにも使えるほどの性能だったとか。価格は当時の値段で3980円。そこまで徹底して作り込んだのも、ヤーンロッドが本物の練習道具と思えばこそだった。

「ヤーンロッドは考えて使うことが大切です。工夫しだいで、いくらでも本格的な練習ができる。自分で自作してみるなら、ヤーンの長さはロッドの2.5~3倍くらいがよいですね。あとは投げる練習ですが、太く抵抗のある毛糸で、形のよいループを作ろうと思うと意外にその操作は難しいものなんです。もちろん、とりあえず投げるだけなら誰にでもできるのですが、幅の狭いループや広いループを、しっかりコントロールして作れるようになることが大切。イトが普通のフライラインだと、質量が集中していて細いですからずっと簡単に投げられてしまう。そこをあえて太いヤーンでやるわけです」

タイトループとワイドループ、この2つをキャスティングのメカニズムを考えながら繰り返し作ってみる。室内で使える利便性を生かし、思い立ったら理屈を考えながらループを作るという練習を続けることが、キャスティングの感覚を維持するうえでも役に立つ。たとえば稲見さんは、次のような練習法も効果があるという。

 

※この続きは、月額700円+税で有料メンバー登録するとご覧いただけます。

 

※以下の本誌からもご覧いただけます

書影をクリックすると電子書籍を取り扱っているサイト(Fujisan)へジャンプします。

FLY FISHER No.193 発売日2009年12月22日

【特集】Defying Gravity キャスティングの壁を超える

やすらぎが求められる今日、フライフィッシングは自然にローインパクトな付き合いのできる奥の深い趣味として多くの人々に支持されています。『FlyFisher』 は全国誌として、高い支持を得ているフライフィッシング専門誌です。最先端のテクニックはもちろん、目が覚めるような自然の一瞬の美を切り取った写真の数々が読者を魅了します。


2023/7/21

つり人社の刊行物
初歩からのフライタイイング
初歩からのフライタイイング 2,750円(税込) A4変型判148ページ
本書は、これからフライタイイングを始めようとする人に向けた入門書です。 解説と実演は、初心者の方へのレクチャー経験が豊富な、東京のフライショップ「ハーミット」店主の稲見一郎さんにお願いしました。 掲載したフライパターンは、タイイングの基礎が…
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最新号 2024年12月号 Early Autumn

【特集】マスのきもち

朱鞠内湖のイトウ、渓流のヤマメ、イワナ、忍野のニジマス、九頭竜川サクラマス本流のニジマス、中禅寺湖のブラウントラウトなど、それぞれのエキスパートたちに「マスのきもち」についてインタビュー。

色がわかるのか、釣られた記憶はいつ頃忘れるのか、など私たちのターゲットについての習性考察していただきました。

また、特別編として、プロタイヤーの備前貢さんにご自身の経験を、魚類の研究に携わる、棟方有宗さんと高橋宏司さんに科学的な見地から文章をいただいています。

みなさんの情熱が溢れてしまい、今号は16ページ増でお届けします。

「タイトループ」セクションでは国内のグラスロッド・メーカーへの工房を取材。製作者たちのこだわりをインタビューしています。


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