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中禅寺湖でレイクトラウトをねらう方法│フライフィッシング

この理詰めすぎる釣りの目差すところはおそらく、いかによい状態のフライをレイクトラウトの目の前で長く見せるか、ということ。そのためにはトラブルを徹底的に排除することが第一歩だ。

岩澤友幸= 解説 編集部= 文と写真

ボートから、フライを沈める釣り、ではあるが。

ターゲットは中禅寺湖のレイクトラウト。ボートからの釣り。シューティングヘッドはタイプ6。フライはストリーマーで、できるだけ底を這わせる。まあここまでは常識の範疇だろう。しかし、続けて岩澤友幸さんの話を伺っていると、次第に内容が込み入ってくる。ランニングラインはフロロカーボン8号。一度にロッドティップから出すラインの長さは75m。キャストからフライ回収まで最低でも10分。ロッドはパイク用の10番。アタリを感じた瞬間はのけ反るように大きく合わせる。そして1日の釣果は40尾以上……。規格からどんどん外れていく。「私はウデではなく、アイデアで釣りたいんです。同じようにやれば誰でも釣れる方法を考えたいんです。だからたまたま釣れちゃったというのでは納得がいかないんです。これがうまくいったと思ったら、必ずそのパターンで3尾とか4尾とか、さらにずっと釣れるか確かめます」この釣りを始めてから20年。これまでの最大は86cm、1日の最高釣果は前述のとおり(それ以上は数えていない)。「悪いところを見つけたら、それをなくすにはどうしたらいいかなって、徹底的にしつこく考えるんです」岩澤さんが20年考え続けた途方もないメソッドは、ここにすべてを紹介するのは不可能だが、片鱗に触れていただければ幸いだ。
フライ

ロッドの先に沈んでいるのは約75mのランニングラインと、9mのシューティングヘッドタイプ6。ヘッドからリーダー、フライまでを底べったりに張り付けてレイクトラウトに襲わせる。岩澤さんの釣りを要約すればこのようになるが、それぞれの要素は気が遠くなるほどの試行錯誤によって熟成されている。何かひとつかけても成立しない

 



理屈の釣り

午前3時半、出船する前に岩澤さんが必ず行うのはランニングラインを伸ばすこと。リールとラインバスケットを手に持って、電信柱と綱引きをする。それはもう切れてしまうのではないか、というほど強く何度も引っ張り、それを今度はゆっくりと丁寧にラインバスケットへ、できる限り大きな輪で収納していく。
今ここで軽く「ラインバスケット」と書いたが、岩澤さんが手にしているのは、どこからどう見てもホームセンターで売っているコンテナケース。「70×40cmくらいのやつですね。できるだけ深いほうがいいですよ」。
70m以上の、フライラインに比べれば格段に細い糸を扱うのだからこれくらいは当然なのかもしれない。「普通にリールから出してそのまま釣りをしたら、必ずトラブります」。いったん伸ばしたランニングラインはその日は2度とリールに巻かれることはない。
フライ
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最新号 2025年3月号 Early Spring

【特集】ロッドティップで描く、トリックキャスト

プレゼンテーション時、さまざまな形状でラインを落とすためのキャストは「トリックキャスト」と総称されます。
日本での釣りで主に使われるのはアップストリーム、もしくはアップクロスでフライをナチュラルに流すためですが、これには長めのティペット、リーダーを使うことが有利だと多くの人が認めるところ。しかしそれだと、いかんせん取り扱いがとても難しい……。
というわけで、扱いやすい短めのリーダーシステムで、ある程度ナチュラルに流すことができるプレゼンテーションテクニックのあれこれを紹介します。 また前号に引き続き、エキスパートのマスの気持ち考察、「タイトループ」セクションではグラスロッド・メーカーへのインタビュー、グラス特有のアクションを味わうキャスティングのコツなどを紹介します。


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