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WILD LIFE

『Kobaのこうば』のリールの拘り

想いとこだわりについて聞いた

Koba=案内 Koba、編集部=写真
flyfisher photo

リール作りは見るとやるとでは大違い

Kobaさんがリールにハマるようになったのはどうしてですか

昔からものづくりが好きでした。趣味のオートバイの部品を自作したり、ロッドビルディングをしていたこともありました。釣り具のなかでリールが好きだったのが一番大きいかな。ルアー用のアブやカーディナルなどが好きでした。フライリールって構造がシンプルでしょう?簡単に作れるかも?と思ってしまったんです。もし作るなら……と、メモ帳にイメージ図を描き出したら楽しくなって、自分が思うリール像が見えてきました。たぶんそれがハマるようになった最初です。まぁ、実際は簡単ではなかったのですけれど(笑)

 

やはりそうですか

簡単な構造だから、精度はそれほど高くなくても平気でしょう?とおっしゃる方がいますが、金属は温度変化によって膨張・収縮します。これは素材はもちろん、加工する機械にもいえます。仮にひとつの部品に0.1mmの誤差が生じたとして、それが10個集まれば1mmの誤差になりますよね。そうなるといくらシンプルな構造のフライリールとはいえ、必ずどこかに障害が発生します。また、金属の膨張を利用した圧入(シャフトなどを金属板に加圧し挿入する接合方法)も、5mmの穴が熱で5.03mmに広がったところへ、5.03mmに削った軸を入れるといったことを行なっています。だから精度が求められる作業は気温が安定し、素材と機械の両方の誤差がもっとも少なくなる時間帯(夕方が多い)に行なうようにしています。まぁ、これらは作り手側の話ではありますが、フライリール作りには高い精度が要求される部分もあるのだと知っておいてもらえると嬉しいです

 

flyfisher photo

リールのプレートやスプールは、棒状に成型された金属(バーストック)から削り出される。写真は真ちゅうのバーストック

 

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フェイスプレート用にカットしているところ。あらかじめ削る分を考慮してある

 

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旋盤でフェイスプレートを削ったところ。段差や飾り溝の加工が見られる

 

 

Kobaさんの1作目について聞かせてください

ちょうど20年ほど前、オーソドックスなレイズドピラーを作り上げました。これは今だから言いますが、妥協の塊そのものでした。今でこそ最初のイメージ図から設計図まで、大きな食い違いが生じないようになりましたが、1作目は完成に近づくイメージとかけ離れていきました。2作目はほぼすべての部品を真ちゅうにしたことで、300g超という重さになってしまいました。体積を計算すれば設計時点でわかるのに勢いで作ってしまったんです(笑)。我ながら大失敗でした。この反省を元に、次に作った9台が本当の意味でスタートになったと思います

 

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2024/6/6

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最新号 2025年6月号 Early Summer

【特集】One Fly, One Soul 1本入魂のタイイング

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「釣れやすい」とは、たとえば魚がエサと認識しやすいシルエットや姿勢をキャストごとにキープできることや、より刺激的な波動を常に発する構造のこと。 「釣りやすい」とは、たとえばキャスト中の空気抵抗が考慮され、スムーズにプレゼンテーションできることや、簡単には壊れない高い耐久性のこと。
そして、フライは最終的に美しいに越したことはありません。
これら無限の要素を取り入れて、自分で創造できるからこそフライタイイングは楽しいものです。
今号では佐々木岳大さんにドライフライの基礎を、嶋崎了さんにCDCの失敗しない扱い方を、中根淳一さんにキールフライのアイデアを、筒井裕作さんにホットグルーの使い方を教えていただきました。

また、中央アフリカ、ガボンでのターポンフィッシングの釣行レポートやポータブル魚道に関するインタビューなどもお届けします。


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