基本のノットはこの3種でOK

まずはサージャンズ、ブラッド、ユニを覚える

遠藤早都治=解説
ラインを結ぶ際に重要なのは、ラインの交差部分を持ち手(写真の左手)でしっかりと固定すること

渓流や湖の釣りで使用するラインシステムに必要なノットは、実はそれほど多くない。今回は、リーダーより先の接続で最低限覚えておきたいサージャンズノット、ブラッドノット、ユニノットについて解説。
この記事は2011年12月号に掲載されたものを再編集しています。

《Profile》
えんどう・さとし
1977年生まれ。東京都在住。横浜市都筑区で「フライフィッシングショップなごみ」を営む。渓流のマッチング・ザ・ハッチ、ツーハンド・ロッドを使った本流、湖の釣り、そしてソルトウオーターなど、幅広いフライフィッシングを楽しむ。釣りに応じたさまざまなノットを使い分けている。

リーダーとティペットを結ぶ

「渓流や湖の釣りでよく使うノットといっても、そんなに複雑なものはありません。しかもすべて汎用性の高いものですので、ほかの釣りでも充分使うことができますよ」

そう話す遠藤早都治さんは、リーダーとティペットを接続するノットの代表として、まずはサージャンズノットを挙げた。

サージャンズノットは多くの人が利用している結び方だが、簡単で強度もあるので、渓流での頻繁なティペット交換などに向いている。

ラインをスプールから切り離した状態で結ぶので、長いライン同士を繋ぐ際には不向きだが、ティペット接続などにはとても便利なノットである。遠藤さんはダブル(輪に2回通す)、もしくはトリプル(輪に3回通す)で使用している。

(トリプル)サージャンズノット/細めのイトを使う場合
2本のラインの端が重なるように合わせる。この際、重なっている部分が短すぎると、結びにくくなるので注意

重なった部分で輪を作る。この時点でラインを濡らしておけば、2本のラインがまとまり、スムーズに輪が作れる

一方のライン(スプールから切り離した側)を、もう一方の先端とともに輪の中に通し、そのまますべて引き出す

同じ動作を繰り返すように、もう一度ラインを輪の中にくぐらせて3回巻き付ける(2回ならダブルサージャンズノット)

両方の余分なラインと本線を引っ張り、中央の輪を締め込み、カットして完成。結び目を締め込む時は……
まず左右とも本線と余分ラインを一緒に指で掴み、外側に引っ張って結び目をすぼめる。この際余分ラインが弛まないように注意。次にそのまま軽く締め込んだら、次は本線のテンションを維持したまま余分ラインを軽く引いて、結び目を整える。最後に本線だけを強く引っ張り、結び目を完全に締め込めば完成


しかし、このノットは結び終えた部分をカットすると、余ったラインが斜め方向に出ることになる。キャスト時にテイリングしてしまった場合など、その結び目にティペットが引っかかりやすいという欠点があるものの(神経質になるほどの問題ではないが)、おもに細いラインに適したノットであるという。
サージャンズノット(ダブル)の結び目。素早く結びたい時には重宝するが、球状で余りが斜めに出るため、その部分にラインが引っかかりやすいという面も(※写真は余分を長めにカット)

そこで遠藤さんは、湖の釣りなどで太いラインを結ぶ際には、比較的結び目がフラットに作れるブラッドノットを使用している。これは強度も高く、ノッテッドリーダーなどの作製に使う人も多いという。

ブラッドノット/太めのイトを使う場合
2本のラインの端が重なるように合わせる

1本のラインにもう一方を巻き付けるように4回ほど巻き付け、折り返す

交差させたラインの根もとに、巻き付けたラインを通す。この際、本線はそれぞれの手の小指と薬指で手のひらに押さえ、親指と人差し指で作業を行なうと、常にラインが張っているのでやりやすい

もう一方のラインも同じように巻き付け、3つ目の作業で通した同じ部分に逆側から通す

通した2本のラインと本線を同時に引っ張りながら、ラインを湿らせて結び目を締め込んでいく。残りは結び目がフラットになるよう、水平にぎりぎりでカットして完成。結び目を締め込む時は、まず本線のテンションを維持したまま、中央部分に通っているラインを互いに返した方向に引っ張り、ライン同士の隙間をなくしていく。次に本線のみを引っ張り、徐々に力を入れながら結び目をすぼめ、完全に締め込む

ブラッドノットは結び目がフラットに作れる。余ったラインが本線に対して垂直に出るので、引っかかりも少ないのが特徴だ(※写真は余分を長めにカット)

ここまでで挙げたサージャンズノット、ブラッドノットは基本的に同じ太さのラインを結ぶのに適したノットであるといえる。もちろんティペット1〜2段階の差なら問題ないので、リーダーシステムの作製にぴったりだ。

フライとティペットを結ぶ

遠藤さんの場合、ティペットとフライはユニノットで接続している。このノットはシンプルながら強度も高く、渓流のミッジから湖のストリーマーまで、幅広いシチュエーションで使えるのが魅力だという。

そしてもう一つ、遠藤さんがこのノットをおすすめする理由はフリーノットとしても活用できるということ。結び目をフライフックのアイまで絞り込まずに、その途中で止めておけばアイとの間にスペースを持たせることができる。

当然魚が掛かったりしてテンションが掛かれば結び目は締まり込むことになるが、フッキングやその後のやりとりに特に支障はないという。

ユニノット/あらゆるフライに対応
アイにラインを通し、輪を作る

輪の中にラインを4回ほど巻きつける。アイの輪の付け根部分(点線の円)を指でしっかり押さえておくと作業しやすい

巻き付けたラインを軽く締めて結び目を作る(この段階でフリーノットにする場合はある程度きつく締めておく)

本線を引いて結び目をアイ側に寄せ、必ず湿らせてから強く締め込み、余分を1㎜ほど残してカットすれば完成
ユニノットで作るフリーノット。簡単に作れるうえ、いつでもアイと結び目の間隔を調節することができる

結び目をアイに寄せるように締め込めば通常のノットに。極端にぎりぎりでカットせずに1~2㎜は余裕を持たせよう。(※写真は余分を長めにカット)

ノット上達への道

「ライン(特にナイロンライン)は摩擦に弱いということは常に頭に入れておいてください」
そう話す遠藤さん、実際に張ったラインをタオルでこするだけで切れてしまう実演を見せてくれた。

そのため、ラインを結ぶ際に摩擦が掛かる部分にはすべて唾液や川の水を付けたりして湿らせることが重要になってくる。最後に締め込む際もキュッと勢いよく結ぶのではなく、徐々に力を入れるように締め込んでいかなければならない。

遠藤さん自身も岩や枝にティペットがこすれたら、すぐに交換する癖を付けており、「一緒に釣りに行っても確実にほかの人より結び替える回数が多い」とか。

上達への3ポイント
1、釣行前に家で練習しておくこと
2、結ぶ際には持ち手でしっかりとラインを保持
3、結び代(余り)をあまり短くしすぎないこと

遠藤さんにノット上達のコツを聞いてみると「素早く結べるようになるためには何よりも慣れるのが一番です。釣行前に何度も家で練習しておけば、釣り場でのトラブルも減少できますよ」とのこと。

そして、結ぶ際の持ち手(イトを回したりひっぱったりする手と逆の固定している手)でしっかりとラインを押さえているということ。これが緩かったり、ずれていたりすると、よけいな弛みがノットに巻きこまれてしまったりするので、指の腹でしっかりと押さえるようにするなど、気を遣いたい。

このほか、ラインの結び代をあまり短くしすぎないということが大切。ビギナーの中にはラインの消耗を避けようと、細かく小さい動作で結ぼうとする人を見かけるが、それは失敗につながりやすいという。

ノットが失敗すると結節に用いた部分が撚れてしまうので、しっかりと完成させるためには撚れた部分をカットして再び作業する必要がある。そうすれば結果的に多くのラインを消費することになるので、自分が結びやすい長さで余裕を持った結び代を知ることが、ノットをスムーズにする近道といえる。 横浜市都筑区で「フライフィッシングショップなごみ」を営む遠藤さん。実釣はもちろん、タイイングやノットについてビギナーにレクチャーする機会も多い

2017/8/7

最新号 2017年12月号 Fall

特集は「川を読む」。秋田県の役内川を例に、まさに「ここに尺ヤマメがいた」というポイントをピックアップ。流れのようす、底石の入り方、水面の波立ちぐあいなどなど、良型が付く場所の特徴を解説します。 また伝説的ともいうべきリールの名品「ボンホフ」と、その製法を忠実に踏襲しようと試みた男の物語を収録。道具に対する釣り人の情熱と愛を感じる内容です。 そのほか、イワナが浮いてフライをくわえる瞬間までばっちり見えるような源流釣行、北海道のアメマス事情、またキューバやオーストラリアのソルトゲームなども掲載。渓流オフシーズンの今だからこそ、じっくり読みたい一冊です。
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