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WILD LIFE

名手たちの UVマテリアル考

経験が豊富な名手たちはどのようにUVを組み入れているのだろうか?

FlyFisher編集部=写真と文

管理釣り場では蛍光色をよく使う

UVフライを巻いていますか?

管理釣り場用のフライをUVマテリアルで巻くことは多い。私の場合は、経験からUVを含めた蛍光色をよく使う。理由はよく釣れるから。ただ、常に効くかというとそうではないと思う。条件によって違うだろうし、飽きられるのも早いと感じている。

 

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嶋崎さんの中禅寺湖用ボックス。クリーム色のマラブー以外すべて蛍光なし。コントラストの差を意識したラインナップだ

 

同じ蛍光色でもピンクやイエローという色の差もありますか?

あると思います。メロン色とオレンジ色を比べると、明らかにメロン色のほうがアタリが多いです。リトリーブして釣るか、マーカーで漂わせて釣るかによっても多少変化するとは思うけれど、総合的に見てメロン色は一番反応がよいと思います。次点は蛍光グリーンかな。あとはオレンジもピンクもイエローも差はあまりないと感じています。

 

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これが嶋崎さんイチ押しのメロン色。写真はメロン色のヤーンで巻いたグローバグだが、マラブーにも同じメロン色があり、どちらもよく釣れるそうだ

 

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管理釣り場の数釣り競技で使うフライ。ボディーとテイルがそれぞれ蛍光色でよく光る。TMCタングステンビーズプラスはL字型に穴が空いているので、シャンクに対してオフセットで取り付けられ、ゲイプが狭まることもない

 

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「だいぶ本数が減っちゃってるけど……」と見せてくれた管理釣り場用のボックス。蛍光色のマラブーストリーマーは残念ながら残っていなかったが、グローバグはさまざまな色が残っていた。小さく巻いた蛍光色のグローバグを用意しておくと、渋いときに効くそうだ

 

 

メロン色のなかでも濃淡による差があったりするのでしょうか。

これもあると思います。理由は分からないけれど、薄いメロン色のほうがよく釣れるように感じています。あくまで主観的なものですが濃淡の差も魚は見ていると思っています。

 

 

曇天は蛍光あり晴天は蛍光なし

「これはUVの効果では?」と思われる経験はありますか?

ある日、加賀フィッシングエリアの常連で驚異的な釣果を誇るKさんと一緒に釣りをしていて、最初はお互い同じようなペースで釣っていました。午後になって曇ってきて、私ばかりアタリが続くようになりました。いつもはKさんのほうがよく釣るのですが、この日は私が圧倒的リードを保ったまま終わりました。このときに使っていたのがFLメロンという蛍光色のマラブーでした。前からメロン色は釣れると思っていたけれど、確信に変わった出来事でした。仕事がら製品のテストをしていると時々あるのですが、その日の管理釣り場の状況にカラーがぴったりマッチすると、ガツンという明確なアタリが出ます。逆にマッチしていないとツンツンと突くようなアタリだったり、ラインが走ってからアワセてもフッキングしなかったり、どこか変。開発スタッフの間では、釣れるカラーと釣れないカラーは、大抵一発で答えが出るというのが共通認識になっています。ちなみにメロン色が一番効くと思うのは曇天。加賀フィッシングエリアをはじめ、水質がクリアなところでは、効果を体感しやすいと思います。マッディーだとまた話が変わると思うけれど、クリアであれば晴れているときは蛍光なし、曇ったときは蛍光あり、というのがひとつのセオリーでしょう。それというのも、晴れと曇りがコロコロ入れ替わる天気の日に、蛍光の有無による釣果差を確かめたくて試したことがあります。ロッドを2本用意して、雲が太陽を隠すと蛍光あり、太陽が顔を出したら蛍光なしという具合にしたら、どちらか一方だけでとおすよりもアタリがずっと多かったです。

 

管理釣り場以外でも蛍光色をよく使いますか?

ほとんど使いません。ここ数年、中禅寺湖によく行くのですが、蛍光色のフライはほとんど使っていません。効果的なケースがあるのは知っていますが、管理釣り場で得られた効果が自然のフィールドで同じように通じるとは限りません。その理由として、まず魚の密度がまったく違う。次に警戒心の度合いも違います。人的なプレッシャーは管理釣り場のほうが高いかもしれないけれど、毎日のようにフレッシュな個体が放流されることを考えると、別ものと考えるべきでしょう。蛍光色はインパクトが強いぶん、スレやすいと思っています。それでもUVポーラーシェニールのグレーオリーブは使います。暗めのカラーは蛍光でも目立ちすぎないのでおすすめです。人によってブラウンが釣れるという人もいるし、パープルが効くという人もいます。そこには思い込みもかなり関係していると思うので、あまり気にしすぎないのがよいでしょう。

 

Profile 嶋崎了さん

1965年生まれ。中学生のころからフライフィッシングに夢中になり、今もなお最前線を歩む。渓流のイメージが強いが、湖のフライや管理釣り場での数釣り競技に出場するなど、精力的に活動。蛍光色に着目し始めたのも管理釣り場がきっかけ。今回はそのお話を中心に語っていただいた。日ごろはティムコでフライ製品の開発を行なう

 

 

さらに名手たちに6名に5つの質問をしてみました!

・UVフライを巻いていますか?

・どのような場合にUVマテリアルを使いますか。UVマテリアルを使う基準や目的は?(使わない方はその理由をお願いします)

・UVフライで「これはUVの効果では?」と思われる実体験があればお書きください

・UVフライの実績パターンがあれば、お願いします(複数本可)

・そのほかにUVマテリアルについてご意見、疑問があればお願いします

 

 

杉浦雄三さんの場合

UVフライを巻いていますか?

本流河川でのストリーマーや水生昆虫をイミテートしたウエットフライには、意識して使っている。ソルトウォーター用フライにおいてもUVマテリアルは必須だと思う。私は昔からUVマテリアルを意識的に入れてフライを巻いていて、とくにクロダイ用フライは全体が光るように使うのではなく、1ヵ所だけ、もしくは全体がわずかに光る程度に、ごく少量入れることが釣果に影響すると考えている。

 

※この続きは、月額700円+税で有料メンバー登録するとご覧いただけます。

2024/6/18

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最新号 2024年12月号 Early Autumn

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朱鞠内湖のイトウ、渓流のヤマメ、イワナ、忍野のニジマス、九頭竜川サクラマス本流のニジマス、中禅寺湖のブラウントラウトなど、それぞれのエキスパートたちに「マスのきもち」についてインタビュー。

色がわかるのか、釣られた記憶はいつ頃忘れるのか、など私たちのターゲットについての習性考察していただきました。

また、特別編として、プロタイヤーの備前貢さんにご自身の経験を、魚類の研究に携わる、棟方有宗さんと高橋宏司さんに科学的な見地から文章をいただいています。

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