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WILD LIFE

トレバリーとゴマモンガラを追う

フィッシングガイドとして多忙な日々を送る杉浦雄三さんは、ここ数年は南の島にも足を運ぶ。通い始めて7、8年。そこから見えてきたメソッドとフライとは……。

杉浦雄三= 解説

フラットの探し方

―浜名湖のガイドとしてお忙しいと思うのですが、南国も熱心に通われているそうですね。

杉浦 南国歴(笑)は7~8年になりますね。浜名湖をやっていて、オフの時期にももう少しガイドができたらいいなと思って、1回下見に行ってみようと思ったんです。で沖縄本島、宮古島、多良間島としばらく周ってみました。

 

―まずは自分の足でポイントを開拓しようと。

杉浦 そうです。

 

―杉浦さんがフラットを見る時、どういうことを心掛けているのでしょうか?

杉浦 まずは地形ですよね。向かい風の当たるフラットを選んで、大潮の干潮時にひたすら歩きました。「ここは大潮になっても水溜りになる」、「ここはチャネルだったんだ」とか。実際、大きなチャネルでも、干潮にならないとわからないですから。

 

―島中全部。

杉浦 基本的に全部歩きました。そのうえで「ああ、ここいい。ここダメ」とか「ここは釣りになる」というのを調べて。いちばんいいと思うのは、リーフエッジまでチャネルが繋がっているフラットなんです。それも干潮時にも枯れずに点々と水があるような。そういうところはやっぱりいいんです。水が引いても遅くまで魚が残っているので。向こうもちゃんと逃げ道がちゃんとあることをわかってるんです。

 

―同じフラットでもよい場所とそうでないところがありますね。

杉浦 そう、地形がいちばん大事ですね。サンゴがあるところがエサ場になるのは当たり前なんですよね。それプラス、魚が長く残ってくれるかどうかが重要です。これは魚がフラットに上がってくるときも同じです。魚はチャネルに近いところから徐々にエサをとっていって、フラットに散らばっていく。そして最後に水位が下がれば、チャンネルを通って出ていく。この基本行動がわかっているかどうかで結果が全然違うと思います。あと、理由はいろいろだと思いますが、トレバリーがフラットに入ってくるルートは結構決まっている感じです。だからそれが見えれば待ち伏せして釣ることもできます。彼らにとって通りやすい高速道路があるんですよ、フラットの中に。今までの経験上、道があるところにはほぼ必ずといっていいほど魚は来ます。あともうひとつ、魚を見つけやすい方法は、ウミヘビを見つけること。浜名湖にはエイがたくさんいて、それにクロダイがついているじゃないですか。沖縄ってエイがそれほどいなくて、そのかわりがウミヘビなんです。

 

―ウミヘビ……。

杉浦 ウミヘビってサンゴ周りをグチャグチャ荒らすみたいで、そこから飛び出るエサを魚はねらっているのだと思います。特に4~6月のウミヘビには圧倒的についています。今までそれでいい魚を何度も釣っています。あとメチャメチャ大きいカメ(笑)。たぶんアオウミガメで、小さいのじゃなくて、おじさんくらいのでかいやつ(笑)。そういうのが水草を食っているときに後ろについている。だからカメが水草を食うようなエリアはトレバリーも釣りやすいです。ただ、カメに気づかれると一緒に逃げちゃうから、カメに気づかれないように後ろからアプローチするのはありです。だからそういうシチュエーションでは、僕らが魚を見えていないだけで絶対にいる、と思ってキャストします。

 

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2023/2/10

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