フラクラ
ゴマモンガラ用のクラブフライ。ゆっくりフラフラと沈んでいくので「フラクラ」。数種類のUVレジンを使い分けて、形状、食感、落ち方、素材の絡みにくさをを追求している。
杉浦雄三= 解説フラクラ
これはゴマモンガラ用のフライです。テイリングをねらうのですが、ゆっくりフラフラと沈下するようにデザインしました。エサをほじくっているゴマモンガラに「あ、エサが逃げた!どこに逃げたのかな?」と思わせるためで、フライを見つけてもらうためにはゆっくりフォールすることが重要だと考えています。落ちるスピードは現場でもボディーをカットして調整しています。
あと、実はレジンの匂いも気にしているんです。巻きたてのフライは魚が見にきても、くわえる寸前で逃げられることが多い気がします。メキシコのパーミットのガイドに魚はエポキシの匂いが嫌いだからフライは1週間前に巻けって言われたことがありまして。フライの構造がタワシみたいなものなので、レジンが結構匂うんです。直前で見切られる理由はそれかもしれないと思って、釣行よりもだいぶ前に巻いたやつを、水につけて、モミモミしてから使います。正直結構影響していると思います、匂いは。
カラーはだいたい底の色に合わせてタン、サンド、オリーブ、ブラウンの中か最低2色は必要だと思います。フックサイズは2種類用意しますが、ボディーのサイズは同じです。標準は8番ですが、魚の活性が高いときには6番を使います。ウイードガードは浜名湖では20ポンドですが、それだと引っかかるので、25ポンドにしました。ほぼ絡まなくなって調子がいいです。
タイイングの手順
Step1
フックをバイスにセットして下巻きをする。巻き終わりはベンドの根元
Step2
ラムズウールを切り取り取り付ける
※以下の本誌からもご覧いただけます
書影をクリックするとアマゾンのサイトへジャンプします。FlyFisher2023年3月号 Early Spring
【特集1】南の島のフラットフィッシング
【特集2】水生昆虫小宇宙2023(おもに)メイフライ編
ここ数年、急速に広がっている日本のフラットフィッシング。 南のフィールドが開拓され、これまでメジャーだったクロダイとトレバリーに加えて、さまざまな対象魚が注目されています。 フィッシングガイドの数が増加していることも、この釣りをさらに楽しみやすくしてくれています。 まだまだ試行錯誤が続きますが、今号では、現時点でのメソッドやフライパターンなども紹介します。 また、「水生昆虫小宇宙2023」として水生昆虫研究家/写真家の刈田敏三さんによる解禁当初に注目すべきメイフライを解説していただいています。刈田さんがこれまでずっと提言しているように、私たちが見るべきは「ハッチ」ではなく「ドリフター」です。これらの虫がどのような形態で流下してくるかのサンプル写真が並びます。 さらに、さりげな添えられた刈田さんのフライパターンは長年研究を重ねてきた年輪とすごみが感じられます。
2023/3/10