フライの回転を考える
フライが回転するとどんなデメリットがあるのか、回転を防ぐ方法はあるのだろうか?
編集部=文・写真 嶋崎 了=タイイング・解説フライの空気抵抗とは
フライに求められる性能のひとつに、投射性がある。キャスティング中、フライは必ず空気の抵抗を受ける。これが小さければリーダーはターンしやすくなるし、大きければその逆になる。
ただし、日本の渓流をドライフライで楽しむ場合、リーダー・ティペットをターンオーバーさせなければならないわけではない。自分で水面に落ちるリーダー・ティペットの形が調節できればよいので、一概に空気抵抗が小さいフライがよいフライとはいえない。
しかし、フライが飛行中に回転してしまうとなると、デメリットは大きい。ティペットはよれてしまい、トラブルの原因になるからだ。もちろん、回転してしまうけど釣れるパターン、というのは存在するが、それはキャスティングのスピードやティペットの太さである程度抑えることもできるし、数投なら回転覚悟で使うのもよい。そこで、今回は渓流の釣り上がりで何投もするようなパターンに絞り、ティペットのよれ具合を確かめてみた。経験から結果が予測できるものもあったが、回転を抑えるためには、ウイングやハックルの質、ボリュームを工夫することを改めて実感できた。
2024/10/4