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フライフィッシングのノットを名手3名に聞きました│フライラインとリーダーの結び方解説

釣り場で役立つ3つのノットを見ていただきたい

解説=岩井渓一郎、安田龍二、杉坂隆久

解説

ユニノットやダンカンループなど、フィールドで最も結ぶ頻度が多いのはフライとティペットだろう。次がサージャンスやブラッドノットなどを多用するリーダーとティペット部分、そして一番少ないのがフライラインとリーダーではないだろうか?もちろん、状況によっては何度も結び替えることもあると思うが、フライラインとリーダーは通常、替えても1日1〜2回、多くても3回程度。そしてフライとティペット、リーダーとティペットは釣り場で行なうことが多いのに対して、フライラインとリーダーの接続は家から結んできてしまうことのほうが多かったりする。また、ネイルノットがめんどくさい、また難しいなどの理由から、劣化したリーダーの交換を怠ったりしてはいないだろうか。

釣り場でも簡単に結べ、信頼性のおけるフライラインとリーダーの接続があったら、それはそれで大変便利なはず。そこで今回は、ネイルノットに少しの改良を加えたり、また回転数を減らすなどの簡素化をするなど、釣り場で役立つ3つのノットを見ていただきたい

岩井渓一郎さんの場合は、2回転のネイルノットに、瞬間接着剤を垂らすだけという至ってシンプルな接続法だ。家から結んでいく時のみ、トラブルをできるだけ少なくするためにていねいに瞬間接着剤で接続部の段差をコーティングするものの、フィールドで交換する場合は、接着剤をつけない2回転のネイルノット。もしくは1回転のネイルノットに瞬間接着剤を少し付けただけという2つの方法である。

「ネイルノットは3回転以上だと、すっぽ抜けたり、強く締め付けた時にコーティングがずる剥けてしまうことが多いんです」と話す。

瞬間接着剤はあくまでも補助的な役割でしかなく。1回転なら瞬間接着剤を、2回転なら付けなくても強度的には何ら問題はないと岩井さんは話す。

ターンオーバーの力がティペットの先端までしっかり伝わること、できるだけ段差がないこと、釣り場で簡単に結べるという3つのコンセプトで自ら思いついたもの。すぐにでも試せる、簡単で強い接続法といえるだろう。

さて、年間釣行回数が130日を優に超えるという杉坂隆久さんの場合はどうだろうか。

4回転のネイルノットといういたってノーマルな方法だが、よく見るとフライラインの先端部をリーダーに結び留めている。これは以前、杉坂さんが良型とのやりとりの最中に、フライラインとリーダーの接続部がすっぽ抜けてしまい、バレてしまったことが原因で考え出されたもの

以来、渓流はもちろん、湖、本流、ソルトウオーターなど、フィールドや対象魚に関係なくフライラインとリーダー部の接続をこれにしているという。この方法にしてからは、以前のようなくやしい思いをしなくなったと話す

ネイルノットに少しの工夫をプラスして、弱点を補う、道具なしで素早く接続できる、杉坂さんのオリジナル・ネイルノットである。

独自の理論と自由なスタイルで主に本流、ウエットの釣りを得意にしている安田龍司さんの接続法を見てみると、貫通(スプライス)してから3回のネイルノット。

「段差の少なさ、コンパクトなわりには強度があるので、ずっとこの方法ですね」と話す安田さん。以前までは渓流でもこの方法を行なっていたというが、あまりのオーバーパワーに今では本流でのラインシステムのみで使用しているとか。

ちなみに渓流では現在、ノーマルな3〜5回転のネイルノットだという。トラブルの少なさと強度を重視、大ものにもびくともしない、釣り方に合わせた接続法である。

 

 

岩井渓一郎さんの接続方法

フライ

 

岩井渓一郎さんの簡単ネイルノット

【必要な道具】瞬間接着剤

【ノット回転数】1~2回

【特徴】2つの輪に通すだけなので、誰にでも簡単に結べて充分な強度をもつ。トラブルの原因になる段差が少ない。

【結び時間】およそ30秒

【本人コメント】瞬間接着剤なしの2回転ネイルノットだけで、ニュージーランドの50㎝クラスのマスを釣っても何ら問題はありません。

 

 

杉坂隆久さんのネイルノットの手順

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