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フライフロータントカタログ

入手しやすく愛用者も多いフロータントをご紹介します

中根淳一=文と写真 ウオソウ、ケン・キューブ、C&F デザイン、ティムコ、フルックス、マーヴェリック=協力

この記事はFlyFisher No.310を再編集したものです。

世界随一のフロータント大国

フライ

今回フライフロータントのカタログを製作するということで、主要なメーカーや、輸人代理店での取り扱い製品を調べてみた。もちろん、ほぼすべての製品を認知はしていたのだが、集めてみるとあらためてその多さに驚く。それもそのはずで、国内メーカーやショップのオリジナルはもちろん、海外のフライショップに並んでいる製品の多くも輸入されているわけだから、もしかすると日本のショップは、世界―フロータントが揃っているのではないか?とまで思えてしまう。今回集まったフロータントは40品(リフレッシュ系2品を含む)。国内で販売されている製品の、7割ほどは網羅できているはず。なお、この記事の表記については筆者の視認や感覚的なものあり、メーカーからの公式なデータではありません。また、超撥水、交付力などの文言は製品の特徴を表現したもので、特定の基準値で測定したものではありません。内容量は製品に表記されている数位となりますが、一部ボトル重量が含まれている可能性があります。表示されている価格や仕様などは予告なく変更されることがあります。

 

 

大きく3種類の製品に分ける

フライに巻かれているマテリアルの特性や、浮かせ方ごとに扱いやすいタイプがあるので、大きく3種類に分けてみた。

リキッド(液体)は、溶剤が揮発した後にほぼ無色なものと、パウダーが残るものに分けられ、さらにパウダーにも白のほか色つきもある。ほとんどは水のような低粘度で速乾なので、幅広いマテリアルに対応して汎用度は高い。

ボトルタイプも多いリキッドは、ドブ漬けをするので減りが遅いのはよいが、フライの汚れを取ってから浸けないと徐々に効果は低下する。必ず汚れと水分を除去してから使うようにしたい。

次にジェルやペースト、クリームなどと呼ばれる中粘度フロータントは、古くからの製品も多いタイプ。樹脂製の容器に入っているものが多く、軽くて小さいため携帯性に優れている。粘度が高くてベタつくので、以前は繊細なマテリアルには扱い難かったが、近年は塗り込むとサラサラになる製品も増えて、CDCなどにも使いやすくなった

最後にパウダー(粉末)タイプの製品。表面張力をもっとも有効活用できるため、高い撥水性でフライを「ポッカリ」と浮かすことができる。愛用者も多く、パウダー系がベストやバッグに入っていないという人は少ないはず。しかし、粉が表面に付着しているので、持続力がほかのフロータントに劣る部分と、粉の色が残ってしまう欠点もある。それでも高く浮かせる必要があるならば、もっとも効果的なフロータントといえるだろう。

それでは、次のページからは国内のフライショップや、通信販売などで入手がしやすく、愛用者も多いと思われる製品を個別に紹介していこう

 

 

Liquid

撥水させるための主剤と揮発性の高い溶剤で構成されている、リキッドタイプのフロータント。おもにフライをボトルへ入れてドブ漬けするものと、スプレーを噴射して塗布するものに分けられる。塗った直後は溶剤が残るので、息を吹きかけて乾かしてから使うとよい。ほとんどが粘度の低い液体なので、マテリアルの奥まで染み込む利点はあるが、持続性はジェルなどの中粘度に若干劣る気がする。また、ドブ漬けするので容器大きくなる傾向があるため、概ね携帯性がよいとはいえない。

この項の前半はボトル、後半はスプレータイプでまとめてあり、塗布して乾いたあとに、粉末が付着して残る製品に関しても、初期状態が液体であれば、このカテゴリーに分類してある(粉末が残るものは明記)。

 

 

シリコンフロータント100

フライ

春先からの繊細な釣りにも最適

高濃度のシリコンオイル100%の超撥水フロータント。CDCフェザーなどを使った繊細なパターンに最適だが、多く塗りすぎるとフライが重くなり、フェザーも潰れてしまうので、極薄く塗ることがメーカー推奨。容器が小さく軽いので、持ち運びもしやすい。内容成分がシリコンのみなので安心安全とのこと。

速乾度★★☆☆☆

メーカー:株式会社フルックス

定価:¥1,320内容量20ml

 

 

岩井スーパーフロータント・ライト

フライ

ライトタイプは繊細なフライ向き

岩井渓一郎さんの要望をほぼ100%カタチにしたフロータント。サラダドレッシングのように、2種類の液体で構成されているので、よく振って混合させてから使用する。実際にボトルをシェイクしてみると、若干白濁してくるので、このタイミングでフライをドブ漬けする。ライトはCDCなど繊細なパターン向き。

速乾度★★☆☆☆

メーカー.株式会社フルックス

定価・1,430内容量30ml

 

 

ドライディップ・スーパー

フライ

2種の撥水剤で高浮カ・高持続

撥水効果の高いフッソ樹脂に、持続性の高いシリコンオイルをブレンドしてある液状フロータント。撥水剤でもあるシリコンオイルが、フッソ樹脂を付羞させる役目もはたして、フライヘの水の浸入を2重の効果でブロック(CDC対応)。キャップには脱落防止リングが付いてい止リングが付いているため、釣り場で紛失する心配もない。

速乾度★★★☆☆

メーカー株式会社ティムコ

定価・1,430内容量30ml

 

 

kty3リキッドナノスーパー

フライ

軽量容器のガ能フロータント

シリコンとフッソ樹脂を混合したリキッドナノスーパーは、ティペットに結んだままのフライを浸け込んだら、数回のフォルスキャストで乾いて、高い撥水性能を得られる。また、ktyの特徴でもある樹脂製容器は軽くて頑丈なので、複数のフロータントを持ち歩く人にとって、装備の軽量化にも役立つだろう(CDC対応)。

速乾度★★★☆☆

メーカー株式会社フルックス

定価¥1,650内容量30ml

 

 

岩井スーパーフロータント・ヘビー

フライ

ヘビータイプは釣り上がりのフライ向き

こちらも上の製品と同様に、岩井渓一郎さん監修のフロータント。よく振って混合させてから使うのも共通だが、どちらもドブ漬け後に、余分な液をティッシュペーパーなどでとる必要がある。使用中に浮力が低下したら、水分を吸水するだけで復活。こちらのヘビータイプは釣り上がりのパターンに向いている。

速乾度★★★☆☆

メーカー株式会社フルックス

定価・1,430内容量30ml

 

 

シマザキドライシェイク・リキッド

フライ

ドライシェイクの液体バージョン

液体の中にドライシェイクが混合されたフロータント。ティペットに結んだままのフライを浸け込んで取り出せば、液体は揮発してパウダーだけがフライに付着して残る。浸けるだけでパウダーの効果が得られるので、素早く処理できるのが利点。粉末が沈殿することもあるので、よく振ってから使いたい(CDC対応)。

速乾度:★★★☆☆

メーカー:株式会社ティムコ

定価:¥1,540内容量:30ml

 

 

フライ・デイップ

フライ

魚のヌルが付いたフライも復活

1991年以来、環境への配慮を続けているルーン・アウトドアーズ社らしく、可燃物を使わず、水面へ油膜を残さない。匂いも最低限におさえられ、釣り人や魚への安全性を確保している。フライ・デイップはヌルが付いているフライにも使え、広口のボトルは、大型のフライでもドブ漬けがしやすい(CDC対応)。

速乾度★★★★☆

メーカー:ルーン・アウトドアーズ(輸入元:株式会社マーヴェリック)

定価:¥1,848内容皇:2oz

 

 

ドライディップ・スーパー・スプレー

フライ

ドライディップ・スーパーのスプレータイプ

シリコンとフッソをブレンドした、ドライディップ・スーパーのスプレータイプ。ボトルのフタを開けてドブ漬け、フタを閉めるという3アクションを、スプレーならば1アクションで終わらせられる手軽さが強み。ボトルタイプ同様に成分が透明なので、フライを白化させることもない。噴射してから乾かして使う(CDC対応)。

速乾度★★★★☆

メーカー:株式会社ティムコ

定価:¥1,430内容蜃:50ml

 

 

ktyl液状パウダー

フライ

シリコン&フッソにナノテフロンパウダーを混入

シリコンとフッソ、パウダーの混合フロータント。ナノレベルの微粒子テフロンパウダーが、フライの細部にまで入り込み、液状シリコンが被膜を形成するので浮力が高く、水圧がかかってもパウダーがはがれにくいのが特徴。上のリキッドナノスーパー同様に軽量な樹脂製容器を採用している(CDC対応)。

速乾度★★☆☆☆

メーカー:株式会社フルックス

定価:¥1,320内容量:30ml

 

 

フライ・スプリッツ2

フライ

世界初のウオーターベースフロータント

世界初で唯一、ウオーターベースのスプレータイプフロータント。揮発性の高い溶剤を含まないためなのか、乾くのは若干遅いが、濡れたフライヘの馴染みはよい。釣りをする前に噴射してから、現場まで歩いていくうちに乾かせば、効果は長持ちしてくれる。高圧のLPG(液化石油ガス)を使わないスプレーボトル。

速乾度:★★★☆☆

メーカー:ルーン・アウトドアーズ(輸入元:株式会社マーヴェリック)

定価:¥1,430内容量:1oz

 

 

kty3リキッドナノスーパースプレー

フライ

2種の撥水剤で高浮カ・高持続

シリコンとフッソのミックスで高浮力、高持続を得られる、kty3リキッドナノスーパーのスプレータイプ。速乾性もあり、噴射後に息を吹きかけるか、数回のフォルスキャストで使用可能。無色透明の液体なので、フライが白化することもない。スプレータイプの利点は、ドブ漬けに比べ付着量を調整しやすいこと。

速乾度★★★★☆

メーカー:株式会社フルックス

定価:¥1,705内容量:50ml

 

 

シマザキドライシェイク・スプレー

フライ

ドライシェイクのスプレータイプ

フロータントのタイプとしてはパウダーになるが、ドライシェイク・リキッド同様に、初期状態は粉末を含む液体。使い心地はリキッドに近いが、すべてのドライシェイクシリーズで近い効果を得られる。ボトルのフタを開閉する必要もなく、雨天などで手っ取り早く処理したい場合はこちらが便利。乾

速乾度★★★★★

メーカー:株式会社ティムコ

定価:¥1,540内容量:50ml

 

 

スーパーフロート・スプレー

フライ

粘着力の高い撥水剤が長時間浮力を持続

杉坂研治さんが3年間に渡って研究、開発してきたスプレータイプのフロータント。シリコン&フッソのようなオイリー感は少なく、かといってサラサラでもなく、若干白くなるあたりがパウダー系なのだが、どちらかというと粘度の高い、ワックスのような質感が強く残る。この粘着感が粉の付着性を高めているようだ。

速乾度★★★★☆

メーカー:ケン・キューブ

定価:¥1,075内容皇:50ml

 

 

スーパーフロート・スプレー・ブルーダンカラー

フライ

暗色系のフライにも好相性

塗布後にフライが白くなると不都合な場合は、こちらのブルーダンカラーを使うと解決。液剤と粉末粒子が暗色になっている。速乾性は右のブルーラベルと同等か、若干遅い気はするが大差はない。白くなるのが嫌で、いままでパウダー系フロータントを敬遠していたならば、こちらの製品を試してみてはいかがだろう?

速乾度★★★★☆

メーカー:ケン・キューブ

定価:¥1,078内容量:50ml

 

 

kty激粉スプレーフロータント

フライ

パウダー増量の高浮カフロータント

パウダー成分が多く含まれる、スプレータイプのフロータント。フッソも配合しているため、粉の付着を長時間持続してくれる。使用前にはよく振って、確実に液剤を混合させてから噴射。フライを整えたら、フォルスキャストで乾燥させれば、高い浮力を得られる。粉が多い分、フライは若干白くなりやすい。

速乾度★★★★☆

メーカー:株式会社フルックス

定価:¥1,540内容量:50ml

 

 

スーパーフロート・スプレー・チュラル

フライ

フライの色を変えにくいパウダー系

上のブルーラベル(スーパーフロート・スプレーが若干白くなるのに対して、こちらは白くなりにくいタイプ(若干は白くなる)。フライの色を変えたくなければこちら。体感的に乾くのはかなり早いようだ。上のブルーラベルのほうが、浮カの持続力は高いようだが、乾いた後は同様に粘りの強いワックス感が残る。

速乾度★★★★★

メーカー:ケン・キューブ

定価:¥1,078内容量:50ml

 

 

なぜフライは沈む?

波立っていない静かな水面に、そっとフライを落としてみてほしい。未使用のフライであれば、フロータントを塗布しなくても、表面張力でしばらくは浮き続けているはずだ。さらに、フライ本体を強く掴まないようにして沈めてみる。おそらく気泡をまとって水を弾いているはず。これは獣毛や烏羽の(もしかするとタイヤーの手にも付いている)、天然の油分によって撥水しているから。この油分が釣りをしている間にはがれて、マテリアルが水分を含んだり、細部に残ることによってフライは沈んでしまう。では表面張力を持続するにはどうしたらよいかというと、流れているフライヘの負荷(水庄)を減らせばよい。経験者であれば説明の必要もないと思うが、できるだけドラッグが掛からないようにドリフトすれば、フライは水分を含みにくくなる。もちろんピックアップする時も、フライを水中へ沈めて引っ張らないよう気を遣うのも効果的。

それでも汚れたり、雨の日や荒れている水面を流し続ければ、いずれフライは水分を含んでしまう。ここでもフロータントが活躍するわけだが、濡れているフライヘいくら擦り込んでも効果は低い。よって、まずは乾かすということが最優先。これをくり返しても頻繁に沈むようなら、未使用のフライに交換したほうが手っ取り早いだろう。

 

 

Gel,Paste&Cream

ジェル、ペースト、クリーム、グリース、ワックスなど、それぞれの定義は異なるようだが、便宜上まとめて中粘度の製品としている。

ジェル状などはほとんど溶剤を含まないので、小さな容器に詰められ、携帯性のよい製品が多い。従来は寒い季節は硬くて塗りにくい、暑いと液状になって漏れるなど、温度による粘度変化が課題であった。しかし、近年は広い温度帯に対応する製品も増えているようだ。また、ベトつきが強く、CDCなどの繊細なパターンには扱いにくかったが、こちらも解消された製品が増えている。3カテゴリーの中でもっとも持久力が高いうえに、利便性も高まっているため、パウダー系の高浮力が必要なければ、もっとも使い勝手がよいフロータントかもしれない。

 

 

ドライジェル

フライ

1年中安定した扱いやすさを重視

気温が変化しても扱いやすいように、融点にこだわったペースト状フロータント。フライヘの浸透性と浮力の持続性という、フロータントに求められる機能をバランスよく備えている。ティムコ社製品としては古株だが、長年に渡って販売されているのだから、一定の人気があるのだろう。価格が手頃なのも嬉しい。

粘度★★☆☆☆

メーカー:株式会社ティムコ

定価:¥715内容量:20ml

 

 

ガーキ・ギンク

フライ

昔から愛用者の多いスタンダード

経験の長いフライフィッシャーなら1度は使ったことのある?老舗の定番フロータント。歴史が長く、世界で最も知られた製品かもしれない。指先に少量出して、人肌で温めるとゆるくなり、フライはもちろんリーダーやフライラインにも使える万能タイプ。ただし、CDCなどには向かないようだ。

粘度★★★☆☆

メーカー:ジョージ・ガーキズ・フライフィッシング・ワールド(輸入元:株式会社ティムコ)

定価:¥1,210内容量:未記載

 

 

ドライマジック

フライ

サラサラ中粘度で汎用性の高いフロータント

温度による粘度変化がほとんどない、シリコンが主成分のフロータントで、撥水カ、持続性も高い。ジェルタイプ特有の粘度はあるがベトつきは少なく、塗布後もサラサラな触感。CDCのような、繊細なマテリアルを使ったパターンから、ブッシーなヘアウイング・フライまで幅広く対応し、汎用性はかなり高い。

粘度★★★☆☆

メーカー:株式会社ティムコ

定価:¥1,540内容量:12ml

 

 

バグフロート

フライ

夏場にも使いやすい高粘度

名称からも想像できるように、バスバグなどへ使うために作られた、高粘度のシリコンジェルフロータント。夏場の高温期にもゆるくなりすぎないのが特徴。粘度が高いゆえに持続性も高く、ディアへアのスピンヘッドやボディー、密に巻かれたハックルなどへも有効。フタを下向きにぶら下げられる容器に入っている。

粘度★★★★☆

メーカー:アンプカ(輸入元:株式会社ティムコ)

定価:¥1,100内容量:l/2oz

 

 

kty2グリースジェル

フライ

高純度フッソ配合のガ能タイプ

チューブタイプの容器からクリーム容器にリニューアルした、高純度フッソ配合のペースト状フロータント。指先に少量とって、フライに馴染ませるように塗布すれば、長時間浮力を維持してくれる。CDCへも相性がよく、リーダーやフライラインヘも使える万能タイプ。塗りすぎは浮力が落ちるので注意が必要。

粘度★★★☆☆

メーカー:株式会社フルックス

定価:¥2,420内容量:8g

 

 

ペイエット・ペースト

フライ

リーダーやラインにも最適なペーストタイプ

幅広い温度帯で使えるペースト状のフロータント。フライだけではなく、リーダー&ティペット、フライライン用(浮カの補修にも)として、高浮力が得られるように作られている。大型のフライに塗布すれば、ウイングやボデイーにシルキーな撥水膜を与えながら、水面には油膜を作らないのもルーンならでは。

粘度★★★★☆

メーカー:ルーン・アウトドアーズ(輸入元:株式会社マーヴェリック)

定価:¥1,100内容量:l/4oz

 

 

ロクサ

フライ

CDCにも最適なプレミアムフロータント

シリコンベースで幅広い温度帯で使える、ジェルタイプのフロータント。ジェルにカテゴライズはしたが、低粘度で液体の触感に近い粘度。高品質でさまざまなパターンに使える万能タイプだが、CDCとの相性はとてもよく、パウダーでは白くなって嫌だという時にはとても有効。こちらも水面に油膜を作らない。

粘度★★☆☆☆

メーカー:ルーン・アウトドアーズ(輸入元:株式会社マーヴェリック)

定価:¥1,595内容皇:l/2oz

 

 

パワーフロート

フライ

すべてのドライフライに対応するクリームタイプ

寒くて硬過ぎる、暑くて液漏れするなど、従来のジェル系フロータントの欠点を解消した、クリームタイプのフロータント。塗るとサラサラになる触感で、獣毛やシンセティックマテリアルはもちるん、CDCなどにも相性がよい。ワンタッチキャップ仕様なので、片手で抽出してフライヘ塗布することができる。

粘度★★★☆☆

メーカー:株式会社シーアンドエフデザイン

定価:¥1,760内容量:14g

 

 

ロイヤル・ジェル

フライ

スパークルが昆虫の翅の輝きを演出する

幅広い温度帯で使える、シリコンベースで粘度が高めのジェルタイプフロータント。微細なスパークを混入させてあるところが、とてもユニーク。このスパークルは肉眼では確認しづらいが、ボトル内をよく見るとパールのような複雑な輝きがある。この虹色の反射が、水生昆虫の翅の輝きをイミテートしてくれる。

粘度★★★☆☆

メーカー:ルーン・アウトドアーズ(輸入元:株式会社マーヴェリック)

定価:¥1,100内容量:l/2oz

 

 

アクエル

フライ

フライフィッシングチームUSA正式採用

人の指先の臭いを打ち消す効果もあるという製品。シリコンベースで高持続、さまざまな温度帯での安定性など、高品質の万能タイプ。ルーン・アウトドアーズ社製品のすべてに共通しているのは、環境への負荷を最小限にすることを目指している。アクエルはフライフィッシングチームUSAに正式採用されている。

粘度★☆☆☆☆

メーカー:ルーン・アウトドアーズ(輸入元:株式会社マーヴェリック)

定価:¥1,100内容量:l/2oz

 

 

UBFホットデイフロータント

フライ

初夏から晩夏までの気温に適応

環境への安全性を考慮した100%生分解成分のホットデイフロータントは、外気温18~36℃に適応する。地域にもよるが、初夏の盛期から晩夏まで長い期間扱いやすいだろう。さまざまなフライに使えるオールマイティ型で、極少量をフライの繊維へ擦り込むように塗布すれば、長い時間浮力を維持してくれる。

粘度★★★☆☆

メーカー:シルバートラウトLLC(輸入元:ウオソウ)

定価:¥1,700内容量:未記載

 

 

UBFクールデイフロータント

フライ

シーズン初期の低温期でも扱いやすい設定

前出のホットデイ同様、100%生分解成分で構成されているが、こちらはlO~18℃の外気温に適応する設定。地域にもよるが、早春の解禁時から5月ころの初夏まで使えるイメージでよいだろう。低温期でも硬くなりすぎず伸ばしやすいので、極少量を指先に出して、繊維へ擦り込むようにして塗ると効果的。

粘度★★★☆☆

メーカー:シルバートラウトLLC(輸入元:ウオソウ)

定価:¥1,760内容量:未記載

 

 

UBFユニバーサルフロータント

フライ

フライからシルクラインにまで使える万能型

フライはもちろん、リーダー&ティペットから近代的なフライライン、旧来のシルクラインにまで対応する、万能タイプのぺースト状フロータント。ラインやリーダーヘ塗布する時は、付属の布アプリケーター(パッド)を使えば簡単にドレッシングできる。フライやティペットへは、指先に少量とって塗り込むとよい。

粘度★★★★☆

メーカー:シルバートラウトLLC(輸入元:ウオソウ)

定価:¥3,410内容量:28g

 

 

岩井スーパーフロートワックス

フライ

ワックスタイプの高持続ライン用浮力剤

リップスティック形状の粘度が高い浮力剤(固形ワックスとも表現できる)。ワックスを先端から少し出して、親指でラインを挟み込みながらゴリゴリと塗れば、しっかリと付着してくれる。直接的にフライを浮かせるわけではないが、荒れた水面でも流れにラインが巻き込まれずに、メンデイングも容易になる。

粘度★★★★★

メーカー:株式会社フルックス

定価:¥1,430内容量:未記載

 

 

UBFリキファイX(4XLonger)

フライ

新索材のコンポーネントXを配合

シリコンを使わずに、独自の天然素材を配合したフロータント。新素材の「コンポーネントx」は、フライの色を変えることなく、マテリアルの浮力低下を4倍軽減してくれるとのこと。。粘度が高めなので、リーダーやフライラインにも使いやすそう。少し硬めを探している人にはおすすめ。100%生分解成分で構成。

粘度★★★☆☆

メーカー:シルバートラウトLLC(輸入元:ウオソウ)

定価:¥2,200内容量:未記載

 

 

シマザキリーダーグリース

フライ

メンディングもしやすくなるライン用フロータント

リーダーやフライライン先端専用のフロータント。粘度が硬めのグリースタイプなので、指に取って薄く塗り広げれば、高い持続性の浮力を得られる。今回集まった製品の中では少ないライン用だが、フライヘ水圧をかけないためにも、水面からラインを剥がしやすくする処置をしておくことも重要になる。

粘度★★★★☆

メーカー:株式会社ティムコ

定価:¥1,650内容量:18g

 

 

フロータントとして使える?

フライ

「フライフロータント」という名称がついていなくても、フライを浮かせることのできる製品はたくさんある。たとえば、テイムコ社のリバイタライザー。本来はフライラインのしなやかさや滑り、浮力を再活性化させる製品だが、フライに塗布すればフロータントとしても使える。「これじゃなきゃ!」という人もいるので試してみるとよい。

ほかにも筆者はいままでに衣類用の撥水剤やラインのコーティング剤、工業系グリースなども試して、一定の効果は確認できている。要はシリコンやフッソ、パラフィンなどを配合していれば、水に混ざらないので撥水はしてくれる。しかし、実験的には試してみたが、ボトルや缶などの携帯性が悪かったり、乾燥が遅かったり、付着が弱くて耐久性が悪かったりと、興味だけを満たすに留めている。また、環境への影響が未知なものについては、実釣に使用していない。

 

 

Powder&Refresh

細かい粒子をフライに付着させることによって、高い浮力を得られるパウダータイプ。たとえば小麦粉の上に水滴をたらすと、玉状になってコロコロと転がる状態をイメージすると分かりやすいだろう。高い撥水力を維持してくれるが、強い負荷が掛かればはがれてしまうので、ジェル状などの中粘度フロータントほど持続性はない。撥水性の高さから、フライを水面に貼付けたい場面では、不向きなこともある。また、粉末が残ってしまい白くなりがちだが、色つきなどの製品もあるのでいくらか解消できるはず。

フライが魚のヌルで汚れた時や、水分を多く吸ってしまった時に使いたい、リフレッシュ系の製品もあわせて紹介しておく(一部はフロータントの機能もあり)。

 

 

シマザキドライシェイク・ダン

フライ

フライを白くしたくない時にはこれ

ドライシェイクのダンカラー版。パウダー系は、どれも白くなりやすいのが難点でもある。そんな不満を解消できるのが色つきパウダー。暗色系のフライはもちろん、逆光時の水面でもシルエットを強調して視認性がよくなる。フライが濡れていると固まって付着しやすいので、少し揉み込みながら余分は取り除こう。

粒子の大きさ★★★

メーカー:株式会社ティムコ

定価:¥1,320内容量:lOg

 

 

パワードライヤー

フライ

硬めのブラシでふんわり乾燥

撥水機能もある乾燥剤。びしょ濡れのフライは吸水布などで、いくらか水分を除去してから、備え付けの硬めのブラシを使って、慌かすようにして乾かしていく。頑丈に巻かれているブッシーなフライならば、ゴシゴシと擦ってやってもかまわないと思うが、繊細なパターンにはドライシェイク・ブラシをおすすめする。

粒子の大きさ★☆☆

メーカー:株式会社ティムコ

定価:¥1,540内容量:18g

 

 

シマザキドライシェイク

フライ

パウダー系の定番フロータント

「パウダー系で真っ先に思い浮かぶ」といっても過言ではないほど、多くの人たちが使ってきた製品。細かい粒子の撥水パウダーに、粗い粒の乾燥剤が混入。ボトルのキャップ内面にはスポンジが付いており、ピンポイントヘ付着させたい時に使いやすい。また、初期段階の濡れ具合であれば、乾燥用にも使える。

粒子の大きさ★★☆

メーカー:株式会社ティムコ

定価:¥1,320内容量:25g

 

 

シマザキドライシェイク・ブラシ

フライ

ピンポイントヘパウダーをドレッシングする

ドライシェイクのブラシ付きバージョン。それまではフタの内面スポンジを使って、一部ヘパウダーを付着させてきたが、こちらではブラシを使って、さらに効率よくピンスポットヘドレッシングできる。ブラシにはいくらかコシがあり、フロータント処理をしながら、CDCをほぐしたりとフライを整えられる便利なボトル。

粒子の大きさ★★★

メーカー:株式会社ティムコ

定価:¥1,430内容量:l.2g

 

 

ktyパウダー

フライ

春先の繊細な釣りにも最適

ジェル状などの中粘度に比べ持続性は劣るが、フライを高く浮かせたいとき、小さなパターンの視認性を上げたい時には威力を発揮してくれる。ボトルのフタにはブラシが付いているので、「ウイングだけ浮かせたい」などの要望にも応える。こちらのブラシは柔らかめなのでCDCなどの繊細なマテリアルにも向く。

粒子の大きさ★★★

メーカー:株式会社フルックス

定価:¥1,540内容量:12g

 

 

トップ・ライド

フライ

広ロボトルは大型フライにも使いやすい

開口部も広くやや大きめなボトルは、大型のテレストリアルパターンなども、ティペットに結んだまま出し入れがしやすい。撥水剤とともに乾燥剤も入っているため、濡れたままのフライを入れてシェイクすれば完了。ルーン・アウトドア社は一貫して、水面に油膜を作らないよう、環境に配慮した製品を開発している。

粒子の大きさ★★☆

メーカー:ルーン・アウトドアーズ(輸入元:株式会社マーヴェリック)

定価:¥1,595内容量:2oz

 

 

ドライフロート

フライ

初期浮力まで復活する乾燥力

水分を吸収しきったCDCなども、ティペットに結んだまま入れて数秒間シェィクすれば、強力なドライヤー機能で水分を除去し、特殊浮カパウダー効果で、初期浮力を復活させられる。ドライヤー機能は強力なので、乾かしてから同社のスーパーフロート・スプレーを塗布すれば、さらに効果は長持ちする。

粒子の大きさ★★★

メーカー:ケン・キューブ

定価:¥1,078内容量:50ml

 

 

ドライリフレッシュ

フライ

2種の撥水剤で高浮カ・高持続

フライに付いた魚のぬめりや汚れは、水で洗っても取り除き難い。浮かなくなったと感じたら、ティペットに結んだままのフライをドライリフレッシュヘドブ漬け。10秒間ほど軽く揺すりながら洗浄して、余分を拭い取ればクリーンな状態へ戻る。液体が汚れてきたり、洗浄効果が低下したら取り替え時の目安。

メーカー:株式会社フルックス/p>

定価:¥990内容量:30ml

 

 

UDDドライフライデシカント

フライ

魚の粘液除去まで考えられたパウダータイプ

魚の粘液を粉末のワックスが吸収し、天然素材の乾燥剤が、フライに浸透した水分を吸水するように調合。フライを入れてからlO秒間シェイクするだけで、完全に乾いた状態に復活する。またティペットをフタが圧着するのを防ぐために、開口部にティペット・ノッチ·プロテクターが追加されている。

粒子の大きさ★☆☆

メーカー:シルバートラウトLLC(輸入元:ウオソウ)

定価:¥3,300内容量:2oz

 

 

フライウォッシュスプレー

フライ

魚のぬめりや汚れをクリーニング

ドライフライ専用の洗浄剤スプレー。フライの浮力が低下する原因の1つが、魚を釣った時に付着するぬめり。水分だけならば、吸水してドライヤーで乾かせば復活するが、ぬめりは意外と頑固。そんな時にはこちらをスプレーして、余分を拭き取ってクリーニング。再度フロータントを塗布すればスタンバイ完了。

メーカー:株式会社ティムコ

定価:¥1,100内容量:30ml

 

 

早く塗ること、乾かすこと

どんなに高性能なフロータントでも、マテリアルに水が染み込んだり、細部へ水分が留まった状態では、その効果は半減する。早めにフロータントを施すか、再度撥水させるには、フライの水分をできるだけ除去する必要がある。

フライの水分を減らすには、身近なものであればティッシュペーパーで揉んで吸い取る。ティッシュペーパーは吸水性も高く、ほかの用途にも使えて何かと便利なのだが、耐久性が低いことや雨の日には携帯性が悪い。やはり多孔質の化成品クロスや、天然素材のアマドゥ(ツリガネダケなどのキノコ)、皮革などの製品が使い勝手もよい。

もし魚を釣った後にヌルがついて浮かないようであれば、「フライウォッシュスプレー(テイムコ)」や「ドライリフレッシュ(フルックス)」などでクリーニングしてから乾かす。

次の段階として、「パワードライヤー(テイムコ)」などで水気を除去。この後にフロータントを塗布すれば浮力がよみがえる。しかし、奥まで水分が染み込むと初期浮力同等までに戻すのは難しいので、前記の処置をくり返してもフライが沈むのであれば、フライパッチなどで乾燥させておいて、別の未使用フライを結んだほうが効率のよいこともある。

 

 

2024/11/29

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磯釣りスペシャルMAGAZINE Vol.03 1,980円(税込) A4変型判132ページ
【特集1】引き出しを増やしあらゆる状況に対応するために… グレに効く1000%ウキ活用術 【特集2】各地の傾向と対策、特選ポイントを公開 冬こそアツいデカバン石鯛 ねらったところへ仕掛けを飛ばし、潮をとらえてグレの口もとへサシエを届け、釣り…
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つり人社の刊行物
磯釣りスペシャルMAGAZINE Vol.03
磯釣りスペシャルMAGAZINE Vol.03 1,980円(税込) A4変型判132ページ
【特集1】引き出しを増やしあらゆる状況に対応するために… グレに効く1000%ウキ活用術 【特集2】各地の傾向と対策、特選ポイントを公開 冬こそアツいデカバン石鯛 ねらったところへ仕掛けを飛ばし、潮をとらえてグレの口もとへサシエを届け、釣り…
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最新号 2024年12月号 Early Autumn

【特集】マスのきもち

朱鞠内湖のイトウ、渓流のヤマメ、イワナ、忍野のニジマス、九頭竜川サクラマス本流のニジマス、中禅寺湖のブラウントラウトなど、それぞれのエキスパートたちに「マスのきもち」についてインタビュー。

色がわかるのか、釣られた記憶はいつ頃忘れるのか、など私たちのターゲットについての習性考察していただきました。

また、特別編として、プロタイヤーの備前貢さんにご自身の経験を、魚類の研究に携わる、棟方有宗さんと高橋宏司さんに科学的な見地から文章をいただいています。

みなさんの情熱が溢れてしまい、今号は16ページ増でお届けします。

「タイトループ」セクションでは国内のグラスロッド・メーカーへの工房を取材。製作者たちのこだわりをインタビューしています。


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