【静岡県/下泉河内川】
緩やかな勾配をテンポよく釣り上がる
米澤 真澄=解説舗装路が渓に沿い入渓点も多く、初心者にもおすすめ。解禁当初は渇水気味。本格シーズンは4月頃から
◆『山梨・静岡「いい川」渓流アマゴ・イワナ釣り場』より
《Profile》
米澤 真澄(よねざわ・ますみ)
静岡県在住。渓流釣り歴41年。チビアマゴが大好きな熟年フライフィッシャー。「釣り上げた魚はキャッチ&デジタル・キープで流れに帰しています」。
米澤 真澄(よねざわ・ますみ)
静岡県在住。渓流釣り歴41年。チビアマゴが大好きな熟年フライフィッシャー。「釣り上げた魚はキャッチ&デジタル・キープで流れに帰しています」。
大井川河口から遡ること約50kmの左岸に大井川鉄道・下泉駅の古い駅舎が建ち、そのすぐ脇で大井川本流に流れ込んでいる支流が下泉河内川だ。流れは標高1000m前後の峰々が連なる無双連山を源とし、その西麓の標高550m辺りから、大井川合流点の標高約200mまでの高低差約350mを、約9kmの流程で下っていく。
川沿いに舗装道路が整備されて入渓点も数多くあり、流れの勾配も緩やかであるため、難易度的には初心者向けの渓流と言えるだろう。
漁協による放流は決して多いという状況ではないが、稚魚や発眼卵放流が主体であるので、澄んだ流れに棲息するアマゴはヒレピンで朱点がはっきりとした大変美しい姿をしている。
この地域は冬場の降水量が非常に少ないため、3月の解禁当初は渇水気味であることが多く、水温が上がってくるまでは魚の活性も低い。したがって本格的なシーズンは4月頃からとなるが、上・中流域は川幅が狭く樹木が被るような流れであるため、梅雨明け頃からは強靭な蜘蛛の巣が釣り人の遡行を阻み、夏場の釣りは厳しいものとなる。
秋口には蜘蛛の巣も若干落ち着き、冬に備えて魚達のコンディションも充実してくるので、幅広の野性的なアマゴと巡り会うチャンスもあるだろう。全体的に小規模な渓流であるので、テンポよく釣り上がることがよい釣果につながると思われる。
なお、ヤマビルは棲息していないが、マムシやスズメバチなどの危険生物には、細心の注意が必要だ。
◆掲載している笹間川のフィールドガイドは、単行本『山梨・静岡「いい川」渓流アマゴ・イワナ釣り場』に掲載されています!
『山梨・静岡「いい川」渓流アマゴ・イワナ釣り場』
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2020/3/2