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アカサカ釣具

Cover Talks!

表紙は語る。

津留崎 健=解説
FlyFisher マガジン版の表紙を撮影している写真家、津留崎健さんに、現在発売中のEarly Summerのカバー写真について聞きました。
《Profile》
津留崎 健(つるさき・けん) 1960年、福岡県久留米市生まれ。釣りをさまざまな角度からとらえた作風で知られ、撮影フィールドは源流から海底までおよぶ。1990年、日本写真家協会奨励賞受賞。多誌の表紙、巻頭グラビア撮影を担当しながら、自然と釣りをテーマにした撮影や水を取り巻く写真制作に取り組んでいる。自身ももちろん熱心なフライフィッシャー。写真集「WATER GAMES」(つり人社、1994年)、「Catch & Release」(大栄出版、1997年)、「フライフィッシングの世界」(つり人社、1999年)、「幸福の森」(つり人社、2006年)、「絶景 日本の釣り」(つり人社、2014年)、「Tamagawa 東京ネイチャー」(つり人社、2015年)
●ウエブサイト:http://www.kentsurusaki.com/


現在発売中の『FlyFisher MAGAZINE Early Summer』の表紙。


編集部から「備前貢さんに巻いていただいた、ロイヤルコーチマンを表紙として撮影してほしい」という依頼がありました。

最初から決まっていたのは、縦ではなく、横位置の写真にする、ということくらいでした。フライの写真はそれこそ数えきれないくらい撮影してきましたが、当然、今回はちょっと違うものにしたいじゃないですか。

そこで、具体的に撮影プランを考える前に、改めてロイヤルコーチマンの特徴というか、どういう被写体なのか、ということを考えてみました。

まず一番目立つのは、ボディーの中心にある赤いバンドですよね。次に光沢のあるピーコックのボディー。そして白いウイングとダークブラウンのハックルのコントラスト。

そういえば、『FlyFisher』編集部はロイヤルコーチマン、好きですよね(笑)。節目となる号の表紙はこのフライだったように思います。1998年の3月号(こちらで表紙を検索してみてください!https://tsuribito.co.jp/cover/)、月刊化した時もそうでしたね(笑)。

このフライは一見すると、派手なんですよね。ですから編集長とも相談して、この派手さを生かすために地味なバック素材をセレクトしました。

それがこの写真です。


ですが……、やはり地味というかバックがでこぼこしているので、いまいちフライが際立たないんです。質感が同調しすぎるといいますか、うまく収まりすぎているというか、自分でも面白く感じられませんでした。

やっぱり、いくら派手といってもドライフライなので、繊細なんですよね。ですから、次はまったく逆の切り口を考えました。

質感がまったく別なもので、できるだけフラットで、フライの色ではなく繊細さをきわだ立たせるという方向です。

では、その素材はなにかないかといろいろ捜した結果が、今回の表紙です。


金属とか鏡とか、人工的なものでもよかったのですが、やはりフライフィッシングだからより自然に近いものがよいだろう、ということもありました。

ですから実はこの素材は水晶なんです。水晶を薄くスライスしたものの上にフライを乗せました。

すると繊細さは際立ちますし、はからずも下に反射したフライのシルエットもいい感じでした。素材の色味やライティングも変えて数カット撮影したものの中から、結局この反射が一番くっきり出たものをセレクトしました。

2019/5/15

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最新号 2024年12月号 Early Autumn

【特集】マスのきもち

朱鞠内湖のイトウ、渓流のヤマメ、イワナ、忍野のニジマス、九頭竜川サクラマス本流のニジマス、中禅寺湖のブラウントラウトなど、それぞれのエキスパートたちに「マスのきもち」についてインタビュー。

色がわかるのか、釣られた記憶はいつ頃忘れるのか、など私たちのターゲットについての習性考察していただきました。

また、特別編として、プロタイヤーの備前貢さんにご自身の経験を、魚類の研究に携わる、棟方有宗さんと高橋宏司さんに科学的な見地から文章をいただいています。

みなさんの情熱が溢れてしまい、今号は16ページ増でお届けします。

「タイトループ」セクションでは国内のグラスロッド・メーカーへの工房を取材。製作者たちのこだわりをインタビューしています。


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