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クリップルを使いこなす。2/2

浮き角度で役割を変える

稲田秀彦=解説
水中にボディーが刺さるような形が特徴的なクリップルパターン。その角度を変えれば、イミテートの幅はもっと広がるという

スプリングクリーク生まれのクリップルパターン。稲田秀彦さんはこのフライを春先のマッチング・ザ・ハッチから、夏場の渇水時期のイワナねらいまで、幅広いシチュエーションで結んでいる。今回は浮き姿勢に注目。角度を変えれば、その役割も大きく変えることができる。
この記事は2017年4月号に掲載されたものを再編集しています。

《Profile》
稲田 秀彦 (いなだ・ひでひこ)
1972年生まれ長野県安曇野市在住。シーズン中はマッチング・ザ・ハッチのヤマメ釣りから、山岳渓流のイワナ釣りまで、自宅からも近い信州の渓でロッドを振る。さまざまなシーンでクリップルパターンを愛用している。

浮き姿勢の調整方法

クリップルを巻く際に気を付けることは、まずは何よりもボディー部分を水面下に沈めるようにデザインすること。そのためシャックやテイルに使う素材には吸水性の高いものを選ぶようにし、ボディーは細めに成形するように心掛ける。

フタバコカゲロウやマダラ系を意識する際には少し太めにすることもあるが、いずれの場合もソラックスとアブドメンでシルエットの違いを明確にするように注意している。

また、水面下にボディーを入れる浮き姿勢についても、クリップルではウイング取り付け後に調整することができる。
クリップルは、ハックルとウイングの浮力により水面下にボディーがぶら下がる。ソラックスの背中に位置する、ハックルを挟んだウイング後方部分(矢印部分)でも浮力を保っているのが分かる。こちらはCDCをやや多めに残して45度前後に調整しているが、ここを短めにカットすると、90度に近い浮き姿勢になる

ハックル下側のファイバー(水面に入る部分)と、ウイング後方部分(ソラックス上側のウイング)を多めに残してカットすることにより浮力が残り、水面に対して45度に近い姿勢を保ちやすくなる。

自然な状態のイマージャーを模したり、水面直下で力尽きてぶら下がったりしているメイフライの姿勢を作りやすくなる。

逆に留めた後のウイングの余分を少なめにカットすることにより、水面に対して90度でぶら下がる姿勢になる。

このように使うステージ(スローな流れでの釣りか、落ち込みを釣り上がっていくのか)によって浮かぶ姿勢の特性を活かして使い分けてみるのも、このフライの可能性を広げてくれる要素である。

また、自分が巻いたクリップルが思うように浮かんでくれない場合は、このウイング後方部分に注目すれば修正のヒントが得られるはずだ。
こちらの2本はエアロドライウィング版。左はウイングの後方部分をやや多めにカットすることで、やはり45度に近い角度で浮かべることができる。
一方、右のオレンジのエアロドライウィングでは、カラーが派手なこともあり、魚の警戒心も考えてぎりぎりでカット。フライの姿勢は水面に対して90度に近い状態になる

水面下に入れるフロータント処理

クリップル・ダンやスパークル・ダンなど、シャックをイメージした部位を取り付けたフライパターンは多く存在する。それらは前述したように、シビアなマッチング・ザ・ハッチのステージはもちろん、ブラインドの釣り上がりにおいても効果的。脱皮に失敗して自由を失った個体として、魚の捕食スイッチを入れる要素がたくさん含まれているように感じる。

そしてその有効性を最大限に発揮させるためにも、フロータント処理の仕方にも気を遣いたい。まずはティペットに結んだあと唾や水で水面下に沈む部分をしっかりと濡らす。

そしてフックポイント部分を含め、濡らした場所を指で覆うようにフライを保持した状態で、ウイング及びハックル部分にフロータントを施す(スプレータイプでも、ジェルタイプでもOK)。

そうすることで着水後に正しい姿勢(ボディーがしっかりと水面下に入っている状態)で流下させることができる。
スプレーを使う際は、フック部分を指で隠して噴射する

2018/3/29

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