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ピーコック・コンプリートスキンのすすめ

極彩色の魔力

安田 龍司=文と写真
ピーコックマテリアルを追求し続けたことで見えてくる細かな違い。
今回は、コンプリートだからこそ表現できる奥深い世界を紹介する。
2019年 No.292掲載
《Profile》
安田 龍司(やすだ・りゅうじ)
1963年生まれ。愛知県名古屋市在住。九頭竜川水系において、サクラマスを河川環境の指標として川を守る活動を行なう「サクラマスレストレーション」代表。ストリーマーやウエットフライの釣りを得意としており、各地の本流釣行の経験も豊富。正確な釣りのテクニックに裏打ちされたタイイング技術にも定評がある。
●サクラマスレストレーション http://sakuramasu-r.org/

魅惑のピーコックマテリアル

ウイングはオスの幼鳥のピーコッククイル。なぜかブラックの部分が強いのが特徴で、スペックルドのピーコッククイルの模様が少し入っていて、ブラッククイルとちょうど中間のような感じです。ボディーはブラックのピーコッククイルを巻いています。少しグリーンのメタリックぽい輝きが出るのが面白い。全体の色調をそろえるため、幼鳥でよく取れるブルーネックの柔らかい部分をハックルの上に巻いています。ブルーネックは一見すると青いですが、水中では青から緑へ変化するので、そういったことも考えながら巻くと、タイイングが楽しくなります。

私がピーコック系のマテリアルをよく使うようになったきっかけは、ボディーがピーコックハール、ウイングをピーコックソードで巻いたウィットグリーンという本流用のフライをよく使うようになってからですね。

このフライを考案して、実釣で使い始めてからというもの、サクラマスもニジマスもすごく釣れるようになりました。ピーコックの魔力というと言い過ぎかもしれませんが、本当によく釣れました。ですので今思えば、ピーコックの魅力にハマっていったのは、必然だったのかもしれません。

長い間、ハール、ソードを使い、それにピーコッククイル(スペックルド)とブルーネックも使うようになりました。最初はこのくらいだったんです。でもだんだんと品質のよいピーコックソードが手に入りにくくなってきた。そこで単純ですが「1羽で買えば、たくさんいい羽根が手に入るんじゃないか?」と思ってコンプリートを購入したんです。まぁ実際はそんなわけはなく、貴重なピーコックソードは1羽で買ってもそんなに生えているわけではなく、がっかりしました。
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2021/7/27

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最新号 2024年12月号 Early Autumn

【特集】マスのきもち

朱鞠内湖のイトウ、渓流のヤマメ、イワナ、忍野のニジマス、九頭竜川サクラマス本流のニジマス、中禅寺湖のブラウントラウトなど、それぞれのエキスパートたちに「マスのきもち」についてインタビュー。

色がわかるのか、釣られた記憶はいつ頃忘れるのか、など私たちのターゲットについての習性考察していただきました。

また、特別編として、プロタイヤーの備前貢さんにご自身の経験を、魚類の研究に携わる、棟方有宗さんと高橋宏司さんに科学的な見地から文章をいただいています。

みなさんの情熱が溢れてしまい、今号は16ページ増でお届けします。

「タイトループ」セクションでは国内のグラスロッド・メーカーへの工房を取材。製作者たちのこだわりをインタビューしています。


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