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やりすぎたバスバグの世界

想像力と妄想力でどこまでも!

FlyFisher編集部=写真と文

やりすぎたバスバグの世界

バスバグは一種独特の世界を持つ。
ディアヘアをはじめ、色とりどりの素材を使い、まるで絵を描くように巻いていく。
想像力と妄想力が続く限り、どこまでも。
2019年 No.292掲載
中山 勝= 解説
Comments by Masaru Nakayama
編集部=文と写真
Text&Photograghy by FlyFiher

最初は見よう見まねで始めました
メッセンジャーフロッグを前に笑顔の中山さん。「だいぶ慣れましたが、まともに使えるのは10本巻いて5〜6本。難しいけれど、巻きたくなる不思議な魅力があるんです」と話してくれた
もともとルアーのトップウオータープラグが好きで、バス釣りもトップウオーター主体で20年以上楽しんでいました。
2014年にSNSでバスをフライで釣っている人を偶然見つけて、自分も始めたくなったのが最初です。ルアーで楽しんでいた頃も一応フライタックルは持っていましたが、ヒマな時間帯に小魚を相手にする片手間の釣りで、キャスティングやタイイングも適当というか、我流で覚えました。そこからちょっと本気でフライでバスをねらってみようとなってから5年。自分でも驚くほどハマったと思います(笑)。

僕が初めて巻いたヘアバグは簡素なもので、最初はフックの大きさも分からないし、手元にお手本もない。インターネットで調べて得た情報を頼りに、想像力を働かせて巻きました。とにかく最初は巻くのが楽しくて、自分でもいい出来だと思えたものをSNSにアップすると、だんだん興味をもって見に来てくれる人が増えて、それも励みになりました。そのうち「おもしろいフライを巻いているね、僕のと交換しないか?」という海外のヘアバグタイヤーからメッセージが届くようになって、交換するならいいものを作らなきゃ、と一生懸命巻いて送りました。その経験がタイイング技術を磨いてくれたんだと思います。
まだ釣ってないけれど、と見せてくれた鳥系バグ。キャストは通常のバスバグとあまり変わらないそうだ ヘアバグで釣る楽しさを多くの人に知ってほしくて作ったというミニバグたち。#3〜4ロッドで投げられるミニサイズだ
でも失敗もあって、ヘアバグを巻き始めたばかりの頃に、見よう見まねでメッセンジャーフロッグ(バックテイルフロッグ)を巻いて、軽い気持ちでSNSに写真をアップしたんです。

すると海外から「これはメッセンジャーフロッグじゃない」と、かなり厳しめのコメントをいただいてしまって……。今、見ると自分でも全然違うと思いますね(笑)。
でもこの経験でメッセンジャーフロッグというフライが、多くの人にリスペクトされていることを知りました。タイイングの難易度もさることながら、100年近い昔に見た目のかわいさと釣れる機能性を両方備えたフライがあったことに感動すら覚えました。メッセンジャーフロッグは僕にとっても特別な存在です。

それから、影響を強く受けているという意味では、パット・コーヘンというヘアバグタイヤーにも触れないわけにはいきません。彼とは直接会ったことはないんですが、インターネットを通じてやりとりして、直接彼のフライを購入したこともあります。パットは技術もすごいですが、とにかく色彩感覚がすごい。彼の完成度に少しでも近づきたくて、1回に指でつかむヘアの量を観察したこともあります。それくらいリスペクトしています。

※この続きは、月額700円+税で有料メンバー登録するとご覧いただけます。



2021/9/13

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最新号 2023年12月号 Early Autumn

【特集】尖ってるドライフライ

今号では、編集部が「面白いな」と感じた渓流用のドライフライのタイイングと考え方を紹介します。取り上げるのは、パラシュートスパイダー、エルクファンタジィ、丹沢スペシャル、マジックバレット、里見パラシュート、ヨッパラ、特殊部隊の7本です。これらを並べてみると、みなさん気にかけているのは、耐久性、浮力の持続性だけでなく、「誘い」であることがわかります。水面の流れより遅く流れる、フライそのものが揺れる、マテリアルが揺れる、などさまざまですが、いわゆるナチュラルドリフト以上の効果を明確にねらっているものがほとんど。来シーズンに向け、ぜひ参考にしてください。
またウォルト&ウィニー・デッティ、ハリー&エルシー・ダービーに関するフライタイイングの歴史、そして、『The Curtis Creek Manifesto』(日本ではご存知、『フライフィッシング教書』として翻訳されています)の作者、シェリン・アンダーソンについても取り上げています。


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