坂上じろうさんクロダイ用ラインシステム
名手は何を気にしてどのようにラインを組んでいるのだろうか。ここでは坂上じろうさんの東京湾のクロダイ用ラインシステムをご紹介します
文=坂上じろう、写真=岡本享則
干潟に現われる流れの筋を釣る
東京湾の盤州干潟で、私がキビレやクロダイをねらっている釣り方は、リトリーブで食わせるのではなく、ウエットフライのスイングの釣りに近いもの。
ひとことで干潟といっても広大で、どこをどう釣ればいいか想像しにくいと思うが、私が主にねらっている場所は、潮の干満によって発生する流れの筋。その流れを釣っていくスタイルだ。盤洲干潟にもシャロ―フラットにいる個体を見つけ、その魚にキャストしたり、あるいはブラインドでキャストした後にリトリーブしてフライを食わせる釣りがないわけではないが、私は変則的なスイングに近い釣り方をしている。
干満の差が大きい日はもちろんだが、上潮、下潮のいずれにおいても潮が動く時間帯に、流れの筋は川のような状況となり、そこにキビレやクロダイが入ってくる。この流れをステップダウンで釣っていく。
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【特集】名手たちのリーダー&ラインシステム図鑑 渓流、本流、湖、ソルト、温水。47人の工夫とこだわり。
この釣りではとかくフライパターンに注目が集まりがちですが、フライを魚に届けるためのリーダー、ラインシステムも非常に大切な要素です。同じ対象魚をねらうのでも、フィールドが違えばフライと釣り方が違います。そしておのずとラインシステムも変わります。特に対象魚のバリエーションが広がり続ける中、名手たちの現時点でのシステムを整理してみました。ほか、朱鞠内湖のイトウの魅力、そして’マッドサイエンティスト’、ゲーリー・ラフォンテーンの名著『The Dry Fly』の第1章を掲載しています。
2023/6/9