雪中のイワナ
初期、雪に閉ざされた山岳渓流……、と思いきやイワナ は積極的にニンフをくわえた。
里見栄正=解説、編集部=文と写真
初期、雪に閉ざされた山岳渓流……、と思いきやイワナは積極的にニンフをくわえた。
雪中のイワナ
解禁当初、雪の中ではほぼルースニングで通す。「この時期のこういう釣りってやる人は少ないかもしれません」
「昔の教科書には、こういう時期はイワナは深みに溜まっているので、そういうところをねらいなさいって書いてあったんですけど、ちゃんと流心にもいるものです」
里見栄正=解説
Comments by Yoshimasa Satomi
編集部=文と写真
Text & Photography by FlyFisher
川の中は冷えていない
Comments by Yoshimasa Satomi
編集部=文と写真
Text & Photography by FlyFisher
里見 一瞬だけライズがあったので、ドライでねらいましたがダメでしたね(笑)。
― この時期の山岳渓流は基本ニンフなのですか?
里見 解禁当初で地元の川ではだいたい雪の中でやってますね。もうちょっと季節が進んで雪解け水が入れば水温がグッと下がって魚の活性も落ちるのですが、まだそこまでではないので、結構コンディションのよい魚が釣れるんです。ただもっと標高が低い里の川であれば多少のライズがあったりするのですが、これくらいの山岳だとほぼニンフですね。水温はかなり低いんですけど、それでもそれなりに魚は動きます。この時期でも魚は深みとかじゃなくて、流心にもいますが、そこを流してもあんまり食わないので、やはり流心の脇ですよね。インジケーターがゆっくり流れた時に食ってきます。だから流れをパッと見て、どこならインジケーターがゆっくり流れるかなっていうところを観察してプレゼンテーションしています。今日なんかは非常に活性が高くて、だいたいそういうところに入ればアタリは出ました。
― 盛期のルースニングよりもゆっくりめのところを流すということでしょうか?
里見 いや、そうでもありません。あんまり変わらない。イワナをねらう場合、むしろドライなんかだと、完全に止まっているとか、巻きとか、スローな流れのほうがかえってよかったりするのですが、ニンフの場合はある程度の流れの中をねらいます。その中の石の陰などで、まあ、魚の手が届く、といったらおかしな表現ですが、その範囲にフライが行けばちょっと移動して食ってきます。決して居食いではないと思います。
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とはいえ、盛期のルースニングよりもゆっくりめの脇の流れをねらう。ティペットはフロロ7xを1ヒロ。ニンフの場合、盛期でもほぼ7x。つまりドライより細めを使う
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釣りあがる途中にはライズも見られた。日中にはクロカワゲラやユスリカなど小型の水生昆虫も活発に活動している
― フライはビーズヘッドが多いですね。
里見 ショットをつけるとやっぱりトラブルが多くなりますから。たまにちょっと絡んだりするのでも非常にストレスになるので。あとは、ビーズが光るので、それがたぶん効果があるというか、やっていてそんな気がします。やっぱりビーズは何かしらの誘い因子があるんじゃないかなと感じています。
― 重さは調整していますか?
里見 サイズと素材で使い分けています。きちんと沈めたいというときはやっぱりちょっと大きめ、もしくは小さくてもタングステンにします。でもフライそのもののバランスというかシルエット、見た目もありますから、おかしくならない範囲で選んでいます。色はシルバーがあって、ゴールドがあって、ほかカラーがあって、ある程度ボックスに入れておくと安心感があるというか、目先を変えられると思っているので、いろいろ揃えていますよ。
― ロッドティップからラインが出ていないくらいの距離で釣ることもありますね。
里見 やっぱりインジケーターは沈みにくいというか、流れにもまれてもあんまり沈まない。だから自分でもそうなのですが、ついついドライの時よりも遠めへ投げちゃうことがあります。でも、よいドリフトを確保するためにはやはりもっと近いほうがいいというか、ちゃんとドリフトができる最短距離、というのがいいんだと思います。リーダーは12フィート6Xがベースで、ティペットはフロロ7 X を1ヒロくらいかな。ちょっと長いかもしれないですけど、着水してから圧倒的に楽なんです。それで見た感じアウトリガーのようであっても、インジケーターが支点になるので、フライが手前に寄ってきたりすることもなく、サオ先のシビアなコントロールも必要ありません。インジケーター周辺のたるみを生かして釣ればよい、ということになります。
― ティペットはドライのほうが太いということですが。
里見 ニンフの場合、いつでもほとんど7Xで、ドライは6・5Xです。実際ニンフでやってみると6Xと7Xでは馴染みの差は感じます。当然細いほうがよくて、6Xだと引っ張られているというか、イトの存在を感じるんですよね。7Xより細いティペットだとはそのへんがすごくいい感じです。ただ、落としても8Xまでです。
― それにしても今日はたくさん釣れましたね。釣り上がれないくらいでした。
里見 この時期、先行者がいなければこんなものです。ただ先行者がいた場合、川岸を歩くことができないので、ずっと川の中を歩くじゃないですか。だからとたんに厳しくなっちゃうんです。今日は一番乗りできてラッキーでしたね(笑)。
里見 ショットをつけるとやっぱりトラブルが多くなりますから。たまにちょっと絡んだりするのでも非常にストレスになるので。あとは、ビーズが光るので、それがたぶん効果があるというか、やっていてそんな気がします。やっぱりビーズは何かしらの誘い因子があるんじゃないかなと感じています。
― 重さは調整していますか?
里見 サイズと素材で使い分けています。きちんと沈めたいというときはやっぱりちょっと大きめ、もしくは小さくてもタングステンにします。でもフライそのもののバランスというかシルエット、見た目もありますから、おかしくならない範囲で選んでいます。色はシルバーがあって、ゴールドがあって、ほかカラーがあって、ある程度ボックスに入れておくと安心感があるというか、目先を変えられると思っているので、いろいろ揃えていますよ。
― ロッドティップからラインが出ていないくらいの距離で釣ることもありますね。
里見 やっぱりインジケーターは沈みにくいというか、流れにもまれてもあんまり沈まない。だから自分でもそうなのですが、ついついドライの時よりも遠めへ投げちゃうことがあります。でも、よいドリフトを確保するためにはやはりもっと近いほうがいいというか、ちゃんとドリフトができる最短距離、というのがいいんだと思います。リーダーは12フィート6Xがベースで、ティペットはフロロ7 X を1ヒロくらいかな。ちょっと長いかもしれないですけど、着水してから圧倒的に楽なんです。それで見た感じアウトリガーのようであっても、インジケーターが支点になるので、フライが手前に寄ってきたりすることもなく、サオ先のシビアなコントロールも必要ありません。インジケーター周辺のたるみを生かして釣ればよい、ということになります。
― ティペットはドライのほうが太いということですが。
里見 ニンフの場合、いつでもほとんど7Xで、ドライは6・5Xです。実際ニンフでやってみると6Xと7Xでは馴染みの差は感じます。当然細いほうがよくて、6Xだと引っ張られているというか、イトの存在を感じるんですよね。7Xより細いティペットだとはそのへんがすごくいい感じです。ただ、落としても8Xまでです。
― それにしても今日はたくさん釣れましたね。釣り上がれないくらいでした。
里見 この時期、先行者がいなければこんなものです。ただ先行者がいた場合、川岸を歩くことができないので、ずっと川の中を歩くじゃないですか。だからとたんに厳しくなっちゃうんです。今日は一番乗りできてラッキーでしたね(笑)。
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川に降りるまでスノーシューが必要なくらいの雪の量。だからこそ、というべきか水の中はそれほど冷えていないようだった
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日本の渓流の距離感で心地よく曲がる「里見味」のアクション
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今回使用したのはアスキスJ803。同シングルハンドシリーズでは最も長く、パワーがあるモデル。ルースニングとはいえやはり長めのロッドが有利かつ、重いニンフも投げやすいという理由でチョイス
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透湿防水かつストレッチ性のある素材を使用した新作ウエーダー。耐摩耗性が高いのはもちろんだが、釣り上がることの多い日本の渓流では、ストレッチ性はありがたい
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実は愛好者が多い同社のウエーディングシューズもリニューアル。岩に擦れて劣化しやすい部分はしっかりとカバーされており、柔軟性も高い
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イワナのコンディションは申し分ない
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里見さんはビーズヘッドをメインで使用。ウエイトは入っていない。サイズはイワナの場合#12中心、ヤマメの場合は#14が中心。「特に根拠があるわけではないのですが、なんとなくそういう使い分けになってきました」
SHIMANO×TALEX=STL
入魂の高品質偏光グラス、STLシリーズ
「今まで作ったことのない、最高の偏光グラスを」。シマノがタレックスとコラボレーションしたプロダクトを発表した。重視したのは掛け心地と剛性。フライフィッシングにおいて必須アイテムである偏光グラスの投入によって、同社の存在感はさらに高まりそうだ。
石川正勝=撮影
Photography by Masakatsu Ishikawa
Photography by Masakatsu Ishikawa
同社が考える「最高の偏光グラス」を実現する要素とはかけ心地と剛性だ。
まずSTL 101はオールチタンフレームで軽量に作られてはいるが、釣りで求められる剛性を高めるためには、一般的なチタンフレームのメガネほど華奢にはできない。そこで、前後の重量バランスをとり、かつテンプルのヒンジにこだわることで、長時間ストレスなく使用できるようになった。
樹脂製のSTL 301も剛性を出すために一般的なサングラスに比べれば多少ヘビーに作られてはいる。しかしテンプル内部にチタンの芯が仕込まれており、かけ心地の微調整が可能。ノーズパッドも別体で作られているので、顔の形に合わせて調整できる。
このほか、帽子を被った状態での快適さや着脱のしやすさ、皮膚と接触する部分の素材選びなど、「最高」を実現するために抜かりはない。デザインは両者とも「シンプル」。どんな釣りをする人にもマッチするようにベーシックな形状が採用されていることや、暗い渓流でも見やすいレンズカラー、イーズグリーンがラインアップされているところも、フライフィッシャーにはうれしい点だ。
STL101(チタンフレーム)
レンズカラー●トゥルービュースポーツ、イーズグリーン
フレームカラー●マットスモークグレー
フレーム幅(ネジ間)●135㎜
レンズ●58×36㎜
本体価格●3万8500円(税込)
STL301(ナイロンフレーム)
レンズカラー●トゥルービュースポーツ、イーズグリーン
フレームカラー●マットブラック
フレーム幅(ネジ間)●138㎜
レンズ●56×34㎜
本体価格●3万1900円(税込)
レンズカラー●トゥルービュースポーツ、イーズグリーン
フレームカラー●マットスモークグレー
フレーム幅(ネジ間)●135㎜
レンズ●58×36㎜
本体価格●3万8500円(税込)
STL301(ナイロンフレーム)
レンズカラー●トゥルービュースポーツ、イーズグリーン
フレームカラー●マットブラック
フレーム幅(ネジ間)●138㎜
レンズ●56×34㎜
本体価格●3万1900円(税込)
2022/10/23