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アスキスというブランク

シマノ社アスキスはご存知のとおり、日本の渓流を意識した定番手、あるいは本流サクラマスをねらうためのダブルハンドがラインナップされている。

安田龍司=解説、編集部=文と写真
この記事はFLY FISHER 2023年9月号に掲載された記事を再編集しています。

協力=シマノ

Gルーミス「アスキス」

flyfisher photo

今回は北海道の中流部での釣りということで、9フィート6番を使われましたね。

安田 Gルーミスのアスキス/フレッシュウォーターを使いました。ブランクはシマノが作って、アメリカのG・ルーミスがフィニッシュしているモデルです。フレッシュウオーター用では、9 フィートの4番、5番、6番。そのほかにもソルトウオーター用は7~12番まであります。

 

シマノのアスキスではカバーしていないラインナップですが、使い勝手はいかがですか。

安田 キャスティングは、非常に少ない力でできるし、それから直進性がいいので、ポイントはねらいやすかったです。今回は非常に空気抵抗の大きい大型のフライを使っていたので、キャスティングにはかなり苦労をするだろうと思っていましたが弱い風であればねらったところにもきれいに入るし、意外とやりやすかったですね。アクションはファーストなんですが、実際に使ってみると、ティップは思いのほか柔らかいので、なんていったらいいのかな、近距離のキャストもやりやすいですね。

 

そういう印象のロッドが最近増えていますね。

安田 そうですね。アスキスの場合は、ロッドの内側と外側にエックステープで補強されています。内側と外側で締め上げるような感じになっているので、強度があります。そして、ロッドが曲がったときに、ブランクの断面は楕円になるのですが、この構造により、楕円になりにくいことと、楕円になっても復元が速いので、結果的にロッドが直線に戻るスピードが速い。なので反発力が高く、少ない力で速いスピードのラインを投げることもできます。ブランク自体、非常に軽くできていて、長時間振っても疲れないというメリットもありますね。

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しなやかで感度がよいブランクは魚とのやりとりがよりスリリングになる

 

 

楕円から真円に戻りやすい

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曲がりやすいのに返りが速いという一見反対の作用ができる理由はどういうところにあるとお考えですか?

安田 おそらくロッドブランクの細さだと思います。構造が同じで太いブランクと細いブランクとでは、細いほうが当然曲がりやすいですよね。アスキスの場合は、比較的細いブランクになっているので、そこの部分では曲がりやすい。だけれど、先ほど言ったようにエックステープで真円に戻りやすいので、そこは反発力が高くなると。だからキャスティングのことだけではなくて、魚がかかったときにも、魚がたとえば強く走ろうとしたときでも、ロッドが曲がるのだけれど、復元力もあるので、上手に魚の力をいなしてくれるような、そういう印象もありますね。だから、日本の釣りには非常に合っていると思うんですね。シューティングヘッドを乗せたときでも、いざというときはかなり飛んでいきますから。また、感度がよいので、沈める釣りで使ったときにはすごく生きてくると思います。

 

感度といいますと。

安田 沈める釣りのときに特にわかるのですが、小さなアタリで来たときでも察知しやすいし、フライラインが底石にこすれているようなときでも、感度がよければかなり早く感じられます。そのまま放っておけば根がかるのだけれど、早めにロッドを立てることによって少し回避できたりとか。あと魚がかかってやり取りしているときに、魚の動きをつかみやすいということもあります。

 

魚の動きですか?

安田 どんなロッドでも伝わってくると思うのですけれど、たとえば、魚がかかって首を振っているときって、ロッドティップがグングンとしめ込まれる。あれはわかるのだけれど、感度がよければ極端なことをいうと、近距離ならティペットが歯にこすれているのも伝わります。深いポイントで魚をかけたときに、魚が走る向きを変える瞬間に、上流に行ったのか、下流に行ったのかって、テンションの違いが察知できるんですよ。「今、上へ行き始めたぞ」とか、「下へ行き始めたぞ」とか、そういうのはわかりやすいですよね。これはもちろんやり取りしているときの楽しみにもつながります。

 

 

北海道でのドライフライフィッシング

今回は中流規模の河川でドライでアメマスをねらいました。ラインシステムを教えてください。

安田ウエイトフォワードの6番ですね。リーダーはナイロンの12フィートの1Xに、3Xのフロロティペットを5フィートくらいたして。フライは6番のヒゲナガ、セミ、ガに見えそうなパターン。どちらも大型で非常に空気抵抗の大きいフライです。今回はとりあえずアメマスと出会うことはできて、非常に楽しい釣りはできたのですけれど、やってみた印象では、結構小さなピンスポットのようなところにも、予想よりも大型のアメマスが人ってきたりするので、結構、そういう意味ではちょっとスリルのある釣りが楽しめたかなと思います。

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いかにも、という大きな淵に絡んだ場所ではなく……

安田 ザラザラッとしたところのちょっとした深みとか、流れが一見速そうだけれど、岩盤にスリットがあったりとかして、そこだけ流れがゆるんでいるような場所。そういうところにも魚はいたので、少しずつ探しながら釣り上がっていくのは非常に楽しかったですね。

 

意外と細かく探るような釣りだったわけですが、6番ではちょっと強すぎるような気もしましたが。

安田 実はですね、ちょっと下心があって(笑)。行きにドライ、帰りにウエットをやろうと考えていたんです。川通しに歩いて、帰りはラインも代えてシンクティップを使うつもりでいたので、5番より6番のほうが使いやすいかなと。ようは、沈める釣りのために6番を選んだんですけれど、結果論でいくと、ずっとドライをやってしまったので、5番くらいまでで楽しんだほうがよかったかなとは思っています。

 

帰り道、シンクティップでの釣りであれば、どういうイメ—ジだったのですか。

安田 基本的にはシームレスシンクティップを使うつもりでした。タイプ3と6があるのですが、状況をみながら、選択しようかなと。そんなに深い川ではないので、ウエイトの入っていない軽いストリーマーと組み合わせようかなと思っていました。その場合のリーダーは、それほど大きい川ではなく、キャスティングは近距離であることと、岩盤のスリットなど狭い範囲をねらうために、沈んでいるティップとフライはあまり離したくないので、リーダーは使わないで、フロロの2Xくらいをlm前後つけるだけという想定でいました。

 

ドライでも釣り上がれるし、対岸にも渡れてしまうような川ですけれど、やはりタイプ6 のティップというのが必要なのでしょうか。

安田 見た目よりも押しが強いので、軽いラインだとねらっているところヘフライが到達するまでに沈み切らなそうでした。瞬間的にスパッと沈めて、ピンポイントを的確に探っていくというイメージですので、必要になると思います。

 

それは幅広くスイングさせるのではなく、ドライフライのようなイメージで、ここから落としてここまで流して、この間で出るだろうな、くらいの絞り込みをウエットでもやるという。

安田 そうですね。だからアップのドライに対して、ダウンのウエットで同じような釣り方をするという感じですね。ただ、ドライフライでも反応する魚たちですから、底べったり流す必要はないかなとは思います。僕のイメージでは水深の半分、沈んでいれば充分釣れる可能性があるのではないかなと思います。

 

とにかく両方楽しめる規模の川と状況でしたね。

安田 ドライには、いかにもイワナらしく口先だけ出すような、そういう出方が多かったですけれど、やっばり水面に魚が出てくる楽しさもあるし、水中をちょっと立体的に考えて、それでねらったところでアタリが伝わってくるという釣りも結構スリルがあるので、好みに応じていろんな釣り方を楽しめればいいのではないかなと思っています。

 

そもそもですが、安田さんドライフライやるのですね(笑)。ずっと取材させていただいてますが、安田さんのドライフライを初めて見た気がします、今回。

安田 いえ、もちろんやりますよ(笑)

flyfisher photo

ラインを何度も引き出して走った50cmオーバー。すばらしい魚体だが、見た目以上のパワーをもっていた

 

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ウエットやストリーマーのイメージが強い安田さんのビッグドライフライ。エルクヘアをダビングループに入れスピンさせたものをハックリングしている。ナチュラルドリフトさせている間でも、不規則な動きをしてくれることをねらっている

 

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帰りながらストリーマーで釣り下ることも視野に入れた、両睨みのセッティングで6番をチョイス。ドライだけなら4番、5番で楽しい流れ

 

 

 

 

2023/11/21

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