独学で試行錯誤した15年 紡がれてきたシルクラインの美質。
矢野シルクラインの歴史
矢野宏治=解説・FlyFisher編集部=文と写真この記事は2019年Mid Autumn号に掲載されたものを再編集したものです。
シルクラインとの出会いとそこから始まる物語
私がシルクラインを製作し始めて、早いものでもう15年になります。
フライフィッシグその前からやっていて、自分の釣り道具を自作する楽しみがあることを知りました。
矢野シルクラインでは2〜4番のDT、WFをラインナップ。価格は27mで30,000円+税。15mは22,000円+税
シルク製のブレイデッドテーパーリーダーも販売している
最初はバンブーロッドを自作していたんです。
そうすると、バンブーロッドにはシルクラインが合うらしい、シルクラインで釣りをするとカッコいい、といった話が耳に入ってきました。
最初は「へぇ〜、そうなんだ」くらいに思っていましたが、たたま購入したアンティークリールに古ぼけたシルクラインが巻かれていて、興味本位で投げてみたらすごく鋭いループができたんです。
そこからシルクラインに惹かれていきました。
当時はバンブーロッド熱が盛り上がっていて、雑誌でバンブーロッドビルディングの記事が組まれたり、大御所の注文は3年待ちは当たり前。
アマからプロへ転向するビルダーも多くおられる時代でした。
私もバンブーロッドを自作しつつ、その相棒といわれるシルクラインについて静かに情報を集めていました。
しかし日本国内では、ほぼ情報が得られませんでした。
そもそもは私のまわりでは誰もシルクラインを使っておらず、実物をまともに見たこともない状態。
シルクというのだから、素材は絹なのでしょう。しかしどんな製法でフライラインに加工しているのかすら分かりません。
少なくとも私が製作し始めた当初はそんな状況でした。
2021/8/23