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アカサカ釣具

フィールドガイド【新潟県/日本海】

青ものの回遊をねらった接近戦も

稲田秀彦=解説

渚を走り回りながらイナダのナブラを追いかけ、湧き立つ海面にフライをキャストする。タイミングさえ合えば短時間で数種類の青ものがねらえる釣りは、例年10月から翌年の1月頃まで楽しめる。
◆『FlyFisher』2015年2月号より

《Profile》
稲田 秀彦(いなだ・ひでひこ)
長野県安曇野市在住。解禁期間中は本流から山岳渓流まで幅広くトラウトの釣りを楽しむが、10月以降は日本海のソルトウオーター・フィッシングにも毎年足を運んでいる。

渚のナブラを追え!

新潟から富山にかけての日本海サーフでは、おもにソウダガツオ、イナダ、サワラなどの青ものをねらったフライフィッシングが楽しめる。

これらの魚は、たいていは群れて移動しており、特に冬の日本海では数も多くフライでもねらいやすいターゲット。サーフから釣れる魚のサイズは40~50cmがアベレージ。このほかにもシーバスやカマス、アジなどの姿を見ることもできる。

青ものをねらった釣りが楽しめるのは、例年9月後半から翌年1月頃までの冬の時期と、ゴールデンウイーク前後のサケ稚魚がベイトとなる春の時期の2シーズン。ここでは、冬のシーズンについて紹介をしたい。

10月頃からのベイトフィッシュとなるカタクチイワシやシラウオは、海水温度が下がるにつれ接岸し、岸際を回遊しはじめる。その群れを追って青ものたちも、驚くほどするほど岸近くまでやってくる。

そんな時は、ベイトボールといわれる小魚の群れが逃げ惑い、文字どおり水面が沸くようなボイルがいたるところで見られる。
魚たちが追い掛けて、渚まで打ち上がってしまったシラウオ。渚を注意深く観察していれば、ベイトの傾向がつかめることも

沖のほうから始まったボイルは、逃げるベイトを追いかけまわしながら、徐々に目の前に迫ってくる。右に左にと渚を走って追いかけながら、キャスティングレンジに入ったタイミングを見計らって、すかさずフライを投げ入れる。

着水と同時にリトリーブを開始。ナブラの通過とフライが通るタイミングをいかに合わせられるかが、ヒットに結び付ける重要な要素であり、またこの釣りの醍醐味でもある。
よいタイミングに当たれば、こんな魚が連続ヒットすることも珍しくない。もちろんその引きは青ものならでは。まずは朝マヅメ時をねらってみたい

とはいえ、ソルトウオーターの釣りでは常に目の前に魚がいるとは限らない。特に青ものは広大な海を回遊する魚ゆえに、タイミングが合っていなければ、まったく姿が見られない。

その日の潮回り、時間帯、ベイトになる小魚の有無……などの要素が揃わないとよい釣りをすることはできないが、そういったリスクがまた釣れた時の喜びを大きくしてくれるのだと思う。

※詳しいポイントマップは有料メンバー登録するとご覧いただけます。


2018/10/12

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初歩からのフライタイイング 2,750円(税込) A4変型判148ページ
本書は、これからフライタイイングを始めようとする人に向けた入門書です。 解説と実演は、初心者の方へのレクチャー経験が豊富な、東京のフライショップ「ハーミット」店主の稲見一郎さんにお願いしました。 掲載したフライパターンは、タイイングの基礎が…
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【特集】尖ってるドライフライ

今号では、編集部が「面白いな」と感じた渓流用のドライフライのタイイングと考え方を紹介します。取り上げるのは、パラシュートスパイダー、エルクファンタジィ、丹沢スペシャル、マジックバレット、里見パラシュート、ヨッパラ、特殊部隊の7本です。これらを並べてみると、みなさん気にかけているのは、耐久性、浮力の持続性だけでなく、「誘い」であることがわかります。水面の流れより遅く流れる、フライそのものが揺れる、マテリアルが揺れる、などさまざまですが、いわゆるナチュラルドリフト以上の効果を明確にねらっているものがほとんど。来シーズンに向け、ぜひ参考にしてください。
またウォルト&ウィニー・デッティ、ハリー&エルシー・ダービーに関するフライタイイングの歴史、そして、『The Curtis Creek Manifesto』(日本ではご存知、『フライフィッシング教書』として翻訳されています)の作者、シェリン・アンダーソンについても取り上げています。


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