栗田さんの管釣りのリトリーブの釣り
1投1尾を体現するコツを解説します
解説=栗田洋二 写真と文=Junichi Nakane※この記事はFLY FISHER 2022年3月号 (2022-01-21)を再編集したものです
釣れない魚と釣れる魚を見極める観察眼
釣り場でのポイントは何を基準に選んでいますか?
栗田 まずはライズがある場所を選びます。管理釣り場であれば魚が多いので、視覚的にも泳いでいる密度が分かるのですが、そういう場所には釣り人も多い。必然的に反応が渋くなります。それよりも水面のエサを補食するような、活性の高い魚が集まっている場所を探すのです。
季節や天候などでも釣り場を選びますか?
栗田 季節ごともありますが、水の動きを常に意識しています。水を引き込んでいますから、池でも水流がありますし、湧き水があるかもしれません。水流は酸素を取り込みますし、湧き水は水温を安定させます。あとは今日みたいな冬の北風が強い日は、風下になる南岸がよいです。向かい風は釣り人には厳しいのですが、波立つと魚の警戒心も薄れて岸際に集まりますから、それほど遠投も必要ありません。
ポンドタイプの釣り場では、釣り座を決めたら終始同じ場所で、釣る人も多いと思うのですが、栗田さんは頻繁にポイント移動をされていますね。
栗川 私は5投して反応がなければすぐに移動します。その5投も周囲が空いていれば、扇状に160 度の範囲は自分が釣ってよいと判断して、毎投方向を変えながら満遍なく探ります。加賀FAであれば”この時期はこの場所“のようなデータが頭に入っていますので、見極めは早いのですが、初めての釣り場であればもう少し粘ります
魚に粘るよりも活性の高い魚を探して釣るのですね。
栗田 どちらかというならばそうですね。活性の高いというよりは……”釣れる魚”を探して、それを確実にキャッチするという考え方です。管理釣り場はたくさん魚がいますが、”釣れる魚”と”釣れない魚” がいて、いかに早く”釣れる魚”を見つけるかが重要です。
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2023/9/25