フィールドガイド【山形県/小樽川】
最上川水系上流部、里山の美渓
我妻徳雄=解説 小樽川の渓相。山形新幹線の鉄橋が掛かる「湯の沢温泉」より上流部は、しばらく開けた河原が続く河畔林の生い茂る里山の風情が味わえる釣り場。川全体がポイントとなる梅雨以降がシーズンとなる。
◆『山形「いい川」渓流ヤマメ・イワナ釣り場』より
《Profile》
我妻 徳雄(わがつま・とくお)
山形県在住。渓流釣り歴は40年近く。本流から源流までを幅広く釣り歩き、1つの釣りにこだわらずに渓流を楽しんでいる。「山岳渓流釣倶楽部 群遊会」会長を務める。
我妻 徳雄(わがつま・とくお)
山形県在住。渓流釣り歴は40年近く。本流から源流までを幅広く釣り歩き、1つの釣りにこだわらずに渓流を楽しんでいる。「山岳渓流釣倶楽部 群遊会」会長を務める。
小樽川は吾妻山と飯豊山を結ぶ稜線北面の水を集め流れる川で、米沢市南部の舘山地区で大樽川と交わる(地形図では、中下流域を鬼面川と表記)。
小樽川沿いに国道121号が走っているが、河畔林と分厚い森にさえぎられ国道から河川を見ることは難しい。川に入ると気付くはずだが、河川工事も行なわれず、ほとんど手つかずのままである。
小樽川はヤマメ、イワナが混生しているが、どちらかというとイワナの釣果が目立つ
小樽川流域には自然石に「草木塔」あるいは「草木供養塔」と刻まれた珍しい石碑が存在する。「草木塔」の建立には諸説あるが、一般には、草木(樹木)に対して感謝と供養、自然に対する畏敬の念から建てられたと考えられている。
この地では自然を受け入れ、山や川、自然そのものと共生してきた。それだけに小樽川には必要以上の人工物が造られず、河畔林が生い茂り、のんびりとした里山の雰囲気を味わえる。何の変哲もない、普通のヤマメの川である。こうした当たり前の里山のヤマメ釣り場が、今の日本にいくつ残っているだろうか。
◆掲載しているフィールドガイドは、単行本『山形「いい川」渓流ヤマメ・イワナ釣り場』に掲載されています!
『山形「いい川」渓流ヤマメ・イワナ釣り場』
購入・お問い合わせはこちら
2018/9/26