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WILD LIFE

フィールドガイド【青森県/赤石川】

白神山地の名渓。中流部を釣る

村田 寅=解説

白神山地の核心部から発する、潜在力の高い往年の名渓。雪代は多く長い。本格シーズンは6月から。
◆『青森・秋田「いい川」渓流ヤマメ・イワナ釣り場』より

《Profile》
村田 寅
青森県在住。渓流釣り歴21年。ルアーや細イト釣法もこなし、フィールドに合わせた釣り方で北東北の渓流を楽しんでいる。

赤石川は白神山地の核心部を源流に、鰺ヶ沢町西部を流れ下る。中流域に砂防堰堤が多いが、これは上流部の山岳の険しさによる土砂の供給が多いことも示唆している。昔は鉄砲水により大きな被害が出たこともあるほどだ。

堰堤の堆積部を除けば、角ばった新しい大石が多い瀬と、岩盤のエゴが深い大淵が繰り返し、そのフトコロが渓魚の楽園を成している。

中流部は稚魚放流のヤマメが順調に生育し、肥えたヤマメの数釣りも楽しめる。またアメマスのソ上も多く、アユ釣りの外道で掛かることも多い。上流域はおそらく天然と思われるきれいなヤマメが飛び付いてくる。

上流部にある東北電力・赤石ダムより上流は、白神山地核心部のため禁漁となっている。残念なことに、ここで上流部の水のほとんどを取水して岩崎にある発電所から海に捨てている。
開けて入渓しやすい赤石橋上流の流れ

また、ダムの水を抜いた際にブナの落葉が堆積したヘドロが流れ、淀みに溜まり、近年は川全体がメタン臭を発している。特に雪代期の河口部はそれが山状に堆積してしまっている。豊かな自然に遊ばせてもらう一方で、こうした問題にも目を向け、次世代に「いい川」を繋いでいきたいものだ。

赤石川は雪代が多く、期間も長い。解禁時も釣りにならない濁流となり、終わりも遅く6月に入ってからとなる。半面、6月には手つかずの状態から絶好の条件となり、ウブな渓魚が待ち受けている。
全域を通じて、ヤマメの魚影は豊富

7月にはアユ釣りが解禁し、第4堰堤辺りまで友釣りの人で満員状態となるため、渓流釣りは滝ノ沢合流より上流に逃げたいが、渇水気味のため一休みといったところ。さらに7月下旬にはアブが釣り人を阻む。再度釣りになるのはやはり9月。出水の後をねらって釣行したい。

※詳しいポイントマップは有料メンバー登録するとご覧いただけます。

◆掲載しているフィールドガイドは、単行本『青森・秋田「いい川」渓流ヤマメ・イワナ釣り場』に掲載されています!
『青森・秋田「いい川」渓流ヤマメ・イワナ釣り場』
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2018/9/28

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