私が求めた羽
リアルなフォルムは一長一短
FlyFisher編集部=写真と文
リアルなフォルムは一長一短
私が求めた羽
オフシーズン中に40ダースも巻くというこだわりが詰まりまくったフライたち(とボックス)
2019年 No.292掲載
金子達雄 = 解説
Comments by Tatsuo Kaneko
Comments by Tatsuo Kaneko
嗚呼!鬼怒川 惨敗の日々
持参したフライはユスリカ数本……ライズを目の前に打つ手をなくした。その後、数回足を運んだが惨敗の日々。翌年はハッチ状況を調べ、それに合わせたフライを持参したつもりだったが状況は変わらなかった。どうもこの川には縁がないと思い始めた平成29年の年明けに、ショップに並んでいた渋谷直人さんのDVD、「Rise Hunting」が目に止まり、前後編を買って帰った。
早春の鬼怒川が舞台で、映像の中でオオクマのダンがウイングを立て大量流下するが、まったく食われないシーンがあった。この時期、あれだけボリューミーなごちそうが流れるのを、なぜ魚たちは黙って見ていられるのか不思議でならない思いで観た。その流れの下に、たまたま魚がいなかったのかもしれない。
後に知ることになるが、この状態で流下しているダンは、魚にとって捕食しにくいステージのエサで、経験値から食いにいっても逃げられる可能性があること、逆に、ウイングを水面に張り付かせた状態のものは捕食しやすいことを、魚が知っている可能性を否定できなかった。
2021/9/7