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Diversity of Fly Lines

フライライン多様性の時代、何をどう選ぶか。

白川 元=解説

フライフィッシングが細分化していくことでフライラインも多様化せざるを得ない。だとしても多い、多すぎる!

皆さんは現在、日本国内で流通しているフライラインが何種類くらいあるか考えたことがあるだろうか。

渓流で使う低番手のフローティングラインをはじめ、本流や湖、海、はたまた管理釣り場といったさまざまなフィールドや対象魚に合わせて細分化され、さらにスペイやスカジット、シューティングヘッドも加えると、もはや常人が把握できる量を超えているように思える。もちろん番手、シンクレート、メーカーごとのラインナップも考えると、膨大な数になる。

多くのフライフィッシャーの本音を代弁すれば、正直よくわからないといったものだろう。そこで、最前線で長年フライラインと向き合ってきた白川さんに、現在の混沌とした状況についてうかがった。


サンスイ渋谷店 白川 元さん
1961年生まれ。渓流、本流、湖、海といった多様なフィールドに釣行するマルチなフライフィッシャーとして知られる。長年のプロショップ勤務でフライラインの変遷についても詳しい。FFI公認キャスティングインストラクター

この記事は2019年Mid Autumn号に掲載されたものを再編集したものです。


海外の主流に加え、日本独自の趣向性が多様化を生んだ


まず、どうしてこんなにフライラインの種類が多いかというと理由があります。フィールドやねらうレンジ(タナ)、対象魚に合わせて用いるフライラインが変わるのは当然ですね。

次にもっとも愛好者が多い渓流のフライフィッシングを考えると、2~4番のダブルテーパー(以下DT)を好まれる方が多いんですが、フライラインの一番市場であるアメリカではDTの需要がとても少なく、年々アイテムが減っています。

でも日本では低番手のDTが必要なので、日本の渓流に合わせたスペシャルモデルが製造、輸入されています。

そうです、ラインメーカーの元々のラインナップに、日本向けのスペシャルモデルが加わりますので、カタログに掲載されるフライラインの種類が増えます。

海外のフライフィッシャーからすれば、どうして日本にはこんなにフライラインの種類が多いのか? て思われるでしょうね。

こういった事情に加え、同じ渓流用のフライライン、仮に3番のウエイトフォワード(以下WF)としますが、表面加工やコーティングの違い、テーパーデザインの違い、素材の軟らかさ、価格の違いなどによってもアイテム数が増えていくので、わからなくなるのも当然でしょう。

でもやはり、日本向けに設計されたものに人気が集まっている印象です。


※この続きは、月額700円+税で有料メンバー登録するとご覧いただけます。


2021/8/11

つり人社の刊行物
初歩からのフライタイイング
初歩からのフライタイイング 2,750円(税込) A4変型判148ページ
本書は、これからフライタイイングを始めようとする人に向けた入門書です。 解説と実演は、初心者の方へのレクチャー経験が豊富な、東京のフライショップ「ハーミット」店主の稲見一郎さんにお願いしました。 掲載したフライパターンは、タイイングの基礎が…
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最新号 2023年12月号 Early Autumn

【特集】尖ってるドライフライ

今号では、編集部が「面白いな」と感じた渓流用のドライフライのタイイングと考え方を紹介します。取り上げるのは、パラシュートスパイダー、エルクファンタジィ、丹沢スペシャル、マジックバレット、里見パラシュート、ヨッパラ、特殊部隊の7本です。これらを並べてみると、みなさん気にかけているのは、耐久性、浮力の持続性だけでなく、「誘い」であることがわかります。水面の流れより遅く流れる、フライそのものが揺れる、マテリアルが揺れる、などさまざまですが、いわゆるナチュラルドリフト以上の効果を明確にねらっているものがほとんど。来シーズンに向け、ぜひ参考にしてください。
またウォルト&ウィニー・デッティ、ハリー&エルシー・ダービーに関するフライタイイングの歴史、そして、『The Curtis Creek Manifesto』(日本ではご存知、『フライフィッシング教書』として翻訳されています)の作者、シェリン・アンダーソンについても取り上げています。


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