第2回 つるや釣具店

ハンドメイドが持つ世界観を楽しみたい

FlyFisher編集部=写真と文

SHOP DATA
●住所 東京都台東区寿1-5-1
●電話番号 ☎03-3842-4071
●営業時間 平日(月~金)/11~20時、土日祝/11~18時
●定休日 毎週水曜日、年末年始
●URL  http://www.fly-tsuruya.co.jp
●開業時期 1986年


一瞬何のお店? と思ってしまいそうなつるや釣具店。中央の台にはコマーシャルフライや銘木フライボックスが並ぶ。入り口横の机でスタッフの藤井さんがロッドを修理しているのが日常風景

年季の入った看板と、ドアノブにはオールドリール

ショップの特徴、得意なジャンルを教えてください。

今の店は以前京橋にあった(1931年創業)のが浅草に移ってきてフライショップとしてスタートしたのが始まりです。

京橋の頃は高級志向の釣具店として和竿などの釣具全般を扱っていて、スウェ―デンのABU社の発売元でもありました。場所がら進駐軍や外交官などのお客様も多く、その頃からフライフィッシングの土壌はあったといえますね。

70年代に入り、ハーディーの代理店、コートランド・フライラインの発売元としても機能するようになり、2階が和物の釣具、1階はフライショップに。そして現在の浅草の店舗に移る時(1986年)に、新たにフライフィッシングの専門店としてオープンしました。

ショーケースには、量産型ではないリールが並ぶ。味わい深いタックルたちがショップのコンセプトを印象付けてくれる

山城良介さん(71)/店長
フライ歴は40年以上。現代のバンブーロッドはもちろん、アンティークタックルへの造詣も深い。関東周辺の日帰り釣行が多いが、北海道や四国の釣り場へも毎年足を運ぶ。
「フライフィッシングは競技の要素が少ないからこそ、魚に直結しないところにも楽しみが広がる余地が多いと思います。始めるきっかけを捜している方も、ぜひご来店ください」

取り扱っているのは、主に渓流や湖のシングルハンド・ロッドの釣りに関するタックルがメインで、アンティークものやバンブーロッドも得意です。

また、当店の大きな特徴といえば、ロッドやネットのカスタム、修理も請け負っているところですね。思い入れのあるタックルの修理や、ブランクからロッドを組んでほしいという注文も多くあります。京橋時代からの50年以上の蓄積があるので、たいていの相談には応じられますよ。

「こんなロッドが欲しいんだけど、どこにも売っていない」……なんて相談でも承ります。

商品ラインナップでのこだわりはありますか?

店に並べる商品は、「ハンドメイド」という面を重視しています。言い換えれば、製作者の顔が見える、熱いこだわりを持って作られたアイテムを中心にピックアップするようにしています。

釣りに使うタックルはもちろんですが、その周辺にあるもの、たとえば、魚やフライをモチーフにしたアクセサリーやバッグ、絵画などもそれに含まれます。アンティークロッドやバンブーロッドが多いのもそうした背景からですね。
国内ビルダーのロッドも数多く取り扱う。購入のアドバイスも的確

山城さん自らが買い付けたオールドロッドのストックも

もちろんライン、ティペットやフロータント、コマーシャルフライまで釣りに必要な小物類は常時揃えています。とにかくお店に来た方には、フライフィッシングの持つ「魚を釣るだけではない」世界観を楽しんでほしいですね。
店内の至るところにフライをモチーフとした”遊び心”が散らばる

もちろん消耗品類などのアクセサリーもしっかり揃える

どのようにショップを利用してほしいですか?

フライショップは入りにくいと思われがちですよね。うちはその中でも特に入りづらいかもしれません(笑)。それでもやはり気軽に訪れてほしいと思っています。もちろんビギナーも大歓迎です。

「フライには興味があるけど、どうしたら……」といったタックルや釣り場に関する相談にも乗れますし、もっとこの釣りの世界観に触れてみたいという方は、ぜひ一緒に釣りに行きましょう。
他のショップでは見かけないようなタックルも多い。のんびりとフライフィッシングを味わいたい人のために

藤井正弘さん(62)
フライ歴は30年以上。ショップではおもにロッドのリペア、レストア、メイキングを担当。関東周辺の渓にお客さんたちと出かける機会も多い。
「サオに関する相談はなんでもお待ちしています。思い入れのあるロッドや古いロッドに関する修理など、ぜひ来店してご相談ください」

入口は狭い世界かもしれませんが、奥行きは本当に広いのがフライフィッシング。その道案内は自信を持ってできると思います。もちろん、自分でロッドを作ってみたいという相談や、バンブーロッドの購入、タックルの修理依頼などにも随時対応しています。
つるや釣具店は、自分でバンブーロッドを作ってみたいという人にとってもおすすめのお店。サオ作りの道具はもちろん、最初の1本までの道のりを分かりやすく教えてくれる

実施しているスクールやイベントについて教えてください。

毎年実施しているものとしては、岩井渓一郎さんの実釣&タイイングスクールを20年以上続けています。そして平田真人さんを講師に迎えた「バンブーロッド・メイキング・スクール」は今年(2017年)で30回目を迎えます。
この日もロッドを修理していた藤井さん。思い入れのあるロッドのレストアなどの相談にも応じてくれる

このほか、イベントとして毎年オフシーズンに開催する「ハンドクラフト展」、「竹人たちの集まり」(前年までの「キャスティンFESTA」)を主宰しています。さまざまなハンドメイド作品に親しみ、国内ロッドビルダーのロッドを試し振りできるイベントとして実施しています。
FlyFisher誌の連載でもおなじみの柴野邦彦さんの水彩画も取り扱う

マニアックなイベントもありますが、ビギナー向けのレッスンなどは個別に実施したりしています。スクール、イベントともにホームページやフェイスブックで開催を告知しておりますので、ぜひご覧ください。また、お店に来られる方たちとの日帰り釣行などは頻繁に行なっていますので、興味があれば、気軽にお声かけください。

※掲載している情報は2017年10月現在のものです。

2017/10/16

最新号 2017年12月号 Fall

特集は「川を読む」。秋田県の役内川を例に、まさに「ここに尺ヤマメがいた」というポイントをピックアップ。流れのようす、底石の入り方、水面の波立ちぐあいなどなど、良型が付く場所の特徴を解説します。 また伝説的ともいうべきリールの名品「ボンホフ」と、その製法を忠実に踏襲しようと試みた男の物語を収録。道具に対する釣り人の情熱と愛を感じる内容です。 そのほか、イワナが浮いてフライをくわえる瞬間までばっちり見えるような源流釣行、北海道のアメマス事情、またキューバやオーストラリアのソルトゲームなども掲載。渓流オフシーズンの今だからこそ、じっくり読みたい一冊です。
[ 詳細はこちらから ]

 

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