第4回 ボビンホルダー編

嶋崎了のフライタイイング基礎知識

嶋崎 了=解説
嶋崎了(しまざき・りょう)
1965年生まれ。江戸川区在住。フライ歴35年。 渓流を中心に、本流、湖もオールラウンドに楽しんでいる。 ティムコ社フライ用品開発担当として、TMCバイス、Jストリームシリーズなど主要製品を数多く手がける。

スレッドを快適に操作するための必須ツール、ボビンホルダー。タイイング中最も手に持っている時間が長いツールですが、どんな特徴を見て選べばよいのでしょうか。


Q  ボビンホルダーにはどんな種類がありますか?

A  大きく分けて、セラミックチューブと金属チューブのものがあります。


ボビンホルダー選びで注目したいのは、スレッドが通るチューブ部分。まずセラミック素材。これは現在主流になりつつあり、滑りやすく、スレッドが切れにくいのが一番の特徴です。

比較的細めのスレッドを使う渓流用ドライフライをメインに巻くのであれば、セラミックチューブを選んでおけば間違いないでしょう。

一方金属チューブは耐久性があり、太めのスレッドで強いテンションを掛けやすいというメリットがあります。ソルトフライやバスバグを巻く際に使われることが多いですね。

とはいえ最低限の品質のものであれば、渓流用のフライに使っても問題ありません。ちなみに、スレッドを保護するために先端にSicが埋め込まれたタイプもありますね。
右から、セラミック、金属、Sic内蔵タイプのチューブ。強いテンションを掛けるのであれば金属チューブが安心だが、渓流用のフライや汎用性を求めるのであれば、まずはセラミック製のチューブがおすすめ

ボビンホルダーで大切なことは、何よりもスレッドが切れないということ。チューブは金額に比例する部分ともいえます。海外製の安価すぎるものにはチューブにバリなどがあり、スレッドを傷つけてしまうものもあるので、よく見て選びたいですね。

Q  製品によっては、チューブにもサイズがあるようですが……

A  径は基本的に使うスレッドの太さで選ぶのがベターです。長さは好みで構いません。


たとえば同じセラミックでもチューブ径が異なるものがありますが、使うスレッドが太ければ、径も太いもの、スレッドが細ければ径も細いもののほうが、安定したスレッドワークが行えます。

悩んだらまずはスタンダードなタイプを買っておけば、渓流用のフライはもちろん、ある程度汎用的に使えると思います。

長さについては好みで選んで問題ありませんが、一般的に大きいフライほど長めのチューブが使いやすいですね。また、アームの形状についても好みで選んでよいでしょう。
全てセラミックのチューブだが、右から左にかけて径が細くなっている。基本的に細いスレッドには細い径が適している

スタンダードなタイプのボビンホルダー。アームの形にはそれぞれ差もあるが、好みで選んで構わない

Q  ドラッグ機構のあるものも気になります。

A  もちろん、より快適に使えますが、まずはシンプルな構造のもので問題ありません。


マグネットやネジでスレッドのスプールにテンションを掛け、スレッドの出具合を調整できるタイプもあります。これらのボビンホルダーはより細やかにタイヤ―の使用感に合わせてくれます。ただ、絶対に必要な機能ではないので、まず選ぶならばシンプルなタイプでも充分です。
スレッドにテンションを掛けられるタイプのボビンホルダーも。より快適なタイイングを求める人にはおすすめの機能

使っているうちにテンション機能がほしくなったり、より自分に合ったボビンホルダーを見つけたくなったりしたら、こうしたギミックのあるツールもおすすめです。もちろんツールとしての楽しさもありますね。

2017/9/25

最新号 2017年12月号 Fall

特集は「川を読む」。秋田県の役内川を例に、まさに「ここに尺ヤマメがいた」というポイントをピックアップ。流れのようす、底石の入り方、水面の波立ちぐあいなどなど、良型が付く場所の特徴を解説します。 また伝説的ともいうべきリールの名品「ボンホフ」と、その製法を忠実に踏襲しようと試みた男の物語を収録。道具に対する釣り人の情熱と愛を感じる内容です。 そのほか、イワナが浮いてフライをくわえる瞬間までばっちり見えるような源流釣行、北海道のアメマス事情、またキューバやオーストラリアのソルトゲームなども掲載。渓流オフシーズンの今だからこそ、じっくり読みたい一冊です。
[ 詳細はこちらから ]

 

NOW LOADING