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アカサカ釣具

光モノ、その思惑と効果。<2/2>

魚がより注目するフライを。

白川 元、岩月 正弘=解説
水中から見たエルモンヒラタ・ソフトハックル。細身のボディーが輝くのは、多くのコカゲロウに共通している

虫が気泡を抱いたりして流下するさまを、ティンセルやフラッシャブーなど“光モノ”を取り入れて表現する方法がある。そんなフライを使う名手たちのねらいを解説。
この記事は2016年12月号に掲載されたものを再編集しています。

《Profile》
しらかわ・げん
1961年生まれ。サンスイ池袋店、上野店の店長を務める。国内外のさまざまな釣りのフィールドに足を延ばし、フライフィッシング全般に詳しい。ビギナーにレクチャーすることも多く、スクールの講師を務めることもある。

いわつき・まさひろ
1964年生まれ。愛知県豊川市在住。蒲田川などのフィールドに通うことが多く、マッチング・ザ・ハッチの釣りを得意としている。繊細なイミテートパターンを使うことが多い。

魚が小さいミッジを見つけるのはUVが関係している?
<白川 元>

水生昆虫が成虫や亜成虫になるために、体に気泡を抱いて水面に浮上する。その時のキラメキを表現するために、光モノをフライに取り入れている。

最初は普通のパールティンセルを使っていた。しかしミッジのような小さい水生昆虫でも魚が確実に捕食することから、水生昆虫のイマージャーが放つ気泡の光は、特別な波長(UV)なのではないかと勝手に推測。そこでUV素材のティンセルを使ってみることにした。
ユスリカ・フローティングピューパ
●フック……がまかつRl7-3FT #22
●スレッド……16/0・ブラック
●ボデイー……UVポーラシェニール・ブラックUVのうちブラックのティンセル
●リブ……UVポーラシェニール・ブラックUVのうちパールのティンセル
●ウイング……CDC・ナチュラルタン
※ボデイーを晟後にヘッドセメントでコーティング


人に見えない紫外線(UltraViolet)だが、魚には見えるといわれる。その紫外線が当たると光る蛍光素材を塗布したUVマテリアル(ティンセル)を、フライのアブドメンにリブとして巻き付けて使用している。

過去には、明らかにイマージャーを捕食していると思われるライズがある時、思わぬ効果を実感したこともあった。
ダニーマ
●フック……TMC100BL #14
●スレッド……12/0 ペールイエロー
●ボディー……スーパーファインダビング・PMD
●リブ……UVポーラーシェニール(パールティンセル部分)
●ソラックス……ヘアズイヤー
●ウイング……CDCナチュラルブラウン(2枚)



オリジナル・コカゲロウイマージャー
●フック……TMC108 SP-BL #16
●スレッド……12/0ペールイエロー
●ポスト……エアロドライウィング・ホワイト
●ボディー……スーパーファインダピング・BWO
●リブ……UVポーラシェニール(パールティセル部分)
●ウイング……フライウィング
●ハックル……ライトダン

エルモンヒラタがハッチする際ガスを溜めて浮上すると知って……
<岩月正弘>

30年ほど前になるが、当時釣りに関する文献などを漁っていた私は、エルモンヒラタカゲロウがハッチする際、ガスを溜めて浮上するという話を知った。

それをヒントに、ボディーにフラッシャブーの輝きを取り入れることを思いついたのである。

そのころ、イブニングに蒲田川や高原川の大きなプールでライズを待っていると、もじるようなライズが出るが、なかなか釣れないというケースがあった。そんな時に使ってみようとして、このパターンを巻いた。

基本的にはエルモンヒラタカゲロウがハッチの際、水面直下に張り付くようすをイメージして使っている。全体にフロータントを付けても、ソフトハックルでフックも重いので沈みやすい。その微妙なバランスで、賢い魚をうまく欺くことができれば、と考えている。
エルモンヒラタ・ソフトハックル
●フック……TMC3761 #12
●スレッド……8/0イエロー
●テイル……ウッドダック
●ボデイー……シールズファー・ナチュラル(クリーム系のダピング材で代用可)
●リブ……フラッシャブー・パール
●ハックル……ヘンハックル・サンデーダン(ライトジンジャーでもよい)


ちなみにこれも何かの本で読んだのだが、ヒゲナガカワトビケラも産卵の際、体に気泡をまとわせるらしい。そのため、カディスのボディーにもやはりフラッシャブーのリブを付け、きらめきを表現することがある。

2017/9/18

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